Google のクロスデバイスとアプリ計測はこれからどうなる? 注目のGoogle アナリティクス「アプリ+ウェブプロパティ」とFirebaseの今後を大予測 !

2020.06.25

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DIGIFUL編集部

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現在、「Google アナリティクス」の使用したアプリ計測環境をはじめとして、 「Google マーケティングプラットフォーム」のデータ活用シーンに大きな変化が起きています。 2018年に無料版の「 Googleアナリティクス開発者サービス SDK (Android、iOS)」によるモバイルアプリトラッキングの終了の発表があり、2019年にはデータ取得が廃止されました。今後の計測は「Firebase 向け Google アナリティクス」と、新たに発表されたWebとアプリの横断計測を行う「アプリ+ウェブ プロパティ」にフォーカスした計測環境となってきます。この記事では「Firebase 向け Google アナリティクス」、「アプリ+ウェブ プロパティ」の紹介と、「Google アナリティクス」で行うべきことをお話しします。

アプリ計測は「Firebase 向け Google アナリティクス」に1本化

Google は2019年に、すべての「 Googleアナリティクス開発者サービス SDK ※(Android、iOS)」導入済みユーザーに対して、2019年10月を持って該当SDKのプロパティに対するデータの収集、ユーザーサポート、新規のSDK導入キットの発行が終了するとアナウンスしました。(Google アナリティクス360プロパティで使用していた場合、ユーザーサポートは停止になるものの、引き続きデータの収集のみ行われています)

同年、代わりにGoogle の別プロダクトであった「Firebase analytics」(その後「Firebase 向け Googleアナリティクス」と言う名称に統一)に環境移行するアナウンスも行われ、現在のアプリ計測環境が統一されました。今後、新規でGoogle のアプリSDKを導入するときは「Firebase 向け Google アナリティクス」のみで行うことができます。

※software development kitの略。ソフト開発キットのこと。Webサイトデータを収集するために使用する。

 

 

30207457416_02(図1:Google アナリティクス アプリ関連の動向。当社調べ)

 

 

【補足】「Googleアナリティクス アプリ向けSDK」を現在使用中の場合
データの収集は既に終了しており、「Google アナリティクス360」のプロパティを適用している場合はデータの収集は現在まだ行われていますが、予告なく終了する可能性もあります。そのため、アプリの計測環境は「Firebase 向け Googleアナリティクス」に変更することをおすすめします。

 

Google アナリティクスの新しいクロスデバイス計測 「アプリ+ウェブ プロパティ」とは

「アプリ+ウェブプロパティ」はWebサイトを「Google アナリティクス」、ネイティブアプリを「Firebase 向け Google アナリティクス」で今まで計測してきましたが、新しく「データストリーム」と言う概念で計測し、アプリ計測の仕組みをベースにWebサイトも同じディメンションや指標で統一して計測可能になったプロパティになります。
「Google アナリティクス」では従来クロスデバイス計測を行う場合、「User-ID機能」の使用や、「Google シグナル」を使用したクロスデバイスレポートでの計測が主でしたが、昨年に発表された「アプリ+ウェブ プロパティ」の環境を実装することで、従来のIDベースでの計測、またはIDの取得が行わずともクロスプラットフォームでのデバイス計測が容易になりました。

レポートについて

レイアウトやUIについてはWeb版「Google アナリティクス」と「Firebase 向け Google アナリティクス」標準レポートのいいとこ取りのような形で、ふだんの操作になれていれば選択したレポートから、アプリとWeb片方または、両方の利用状況において考察がし易くなっています。イベントベースの集計となり、どちらかと言えばアプリのレポートに近いもののWeb版 「Google アナリティクス」の「セカンダリ ディメンション」機能も使用することができ、普段から使い慣れているツール操作方法と殆ど変わらずレポート操作が行えます。

以下の図のようにページ(Web)とスクリーン(アプリ)が同一のレポートで集計されます。

 

30207457416_03(図2:アプリ+ウェブ プロパティの行動レポート)

 

「Google アナリティクス360」の「高度な分析(Advanced analysis)」と類似したピボットテーブルをベースとした仕様です。Adobe社「Adobe Analytics」の「Workspace」を使用しているユーザーでも慣れ親しむことができます。下の図はファネルレポートの例です。

 

30207457416_04(図3:「アプリ+ウェブ プロパティ」の分析レポート)

 

下の図はWeb版 「Google アナリティクス」でおなじみの「ユーザーエクスプローラ」のレポート画面です。クライアントID(ブラウザID)ベースに詳細なユーザー行動の 追跡することもできます。

 

30207457416_05(図4:「アプリ+ウェブ プロパティ」のユーザーエクスプローラーレポート)

 

「アプリ+ウェブ プロパティ」を活用するベストプラクティス

「アプリ+ウェブ プロパティ」は、以下のような環境やシーンで活用するのをおすすめします。

  • 「Web」「アプリ」両方を導入している企業または個人(以下、運営者)。を含め推奨

  • もともと「Google アナリティクス」または「Firebase 向け Google アナリティクス」のどちらかを使用してデータの集計を行っておりアプリとWebサイト両方共、サービス利用を促している運営者であれば推奨

実装するタグ

タグは貼り変えではなく新規に下記2種類のタグを発行し追加実装が必要になります。

  • グローバルサイトタグ「gtag.js」

  • 「Google タグマネージャ」内のアプリ+ウェブ計測タグ(推奨)

プロパティは新規作成が必要に

「アプリ+ウェブ プロパティ」の導入から運用については上記のように「Web」「アプリ」両方のトラッキングができている状態が理想ですが、「Google アナリティクス」の「アプリ+ウェブ プロパティ」は完全に新規のプロパティとして実装が必要となり、データ収集も実装完了後より開始となります。

通常のWebやアプリのプロパティID「UA-xxxxxxxx-x」とは異なります。

 

30207457416_06(図5:アプリ+ウェブ プロパティのID)

 

現状の「Google アナリティクス」または「Firebase 向け Google アナリティクス」で導入状況別「アプリ+ウェブ プロパティ」の実装すべき段階を下の図のようにまとめました。

 

30207457416_07

(図6:web、アプリのGoogle アナリティクス現状導入状況別対応図)

アプリ+ウェブ プロパティに使用可能なタグパターンについて

「Google アナリティクス」のタグのうち、まだ市場では幅広く使用されている「ユニバーサルアナリティクス(analytics.js)」では「アプリ+ウェブ プロパティ」の実装を行うことができないので注意が必要です。実装可能なタグは下記2種類です。

  • 「グローパルサイトタグ(gtag.js)」

  • 「Google タグマネージャ」(推奨)

前述の「ユニバーサルアナリティクス」を使用してGoogle アナリティクスの導入をしている場合、別途「グローバルサイトタグ」のインストール(埋め込み)が必要になってしまいます。そのため、タグの貼り変えや追加インストールが不要な「Google タグマネージャ」の利用が推奨です。今後「アプリ+ウェブ プロパティ」の導入を検討しているのであれば、「Google アナリティクス」における現状タグ設定の状態を見極めたうえでタイミングを図って導入したほうがいいでしょう。

 

30207457416_08(図7:アプリ+ウェブ プロパティの発行画面)

 

30207457416_09(図8:Google タグマネージャを用いたアプリ+ウェブ プロパティタグの発行)

 

データ計測の精度について

「アプリ+ウェブ プロパティ」では2種類ユーザー計測する方法があります。

  • Web、アプリ共に「ユーザーID」を取得した横断計測

  • 「Google シグナル」を使用した計測

前者は企業によって顧客管理ID、会員IDなど名称はさまざまですが、企業などで管理している「ユーザーID」をWebやアプリ上でも取得できるようにしたうえで「アプリ+ウェブ プロパティ」のレポート上で統合するというものです。ただしこちらは実装ハードルが高く、企業のシステム部門との連携なども兼ねると工数や開発が必要になるケースが多いでしょう。
後者は、管理画面上で「Google シグナル」の設定を行うだけで以後データの反映が行われ、準備ができ次第統合されたデータで計測されるものになります。実IDを必要としないため、精度は「ユーザーID」に比べ劣りますが、前者に比べ開発も不要で工数もかかりません。
「ユーザーID」は取得のための実装を行わない限りデータの蓄積はされませんが、まずは安易に導入が可能な「Google シグナル」を利用し、その後精度として更に高めたい場合「ユーザーID」ベースに切り替えていくなどの調整も自由です。まずは「アプリ+ウェブ プロパティ」の計測環境を整える第一歩をどちらかの方法で踏み出してみてはいかがでしょうか。

 

アプリ計測SDK「Firebase 向け Google アナリティクス」

FirebaseというBaaS(Backend as a Service)はここ数年で聞きなれてきたものの、5年前にはほとんど知られておらず、ましてFirebaseのアナリティクス機能がGoogle のアプリ解析の主力ソリューションなるとは誰が予想できたでしょうか。Firebase は、2011年にサービスを開始、2014年に米Google に買収され、アプリ開発のバックエンドサービスとして躍進してきたプロダクトです。Firebaseのアナリティクス機能である「Firebase Analytics」はこれまで「Google アナリティクス アプリ向けSDK(Android、iOS)」と併用されてきましたが、2018年に「Google アナリティクス アプリ向けSDK(Android、iOS)」のサービス終了がアナウンスされ2019年10月にはデータ収集が停止されたのを契機に、「Firebase 向け Google アナリティクス」として1本化され、Google のアプリ向け解析の「顔」となりました。

 

30207457416_10

 

30207457416_11(図9:Firebase 向け Google アナリティクス概要)

 

「Firebase 向け Google アナリティクス」の導入シェアは今や、国内でもトップクラスです。人気の理由はやはり「基本無料※」で利用可能な点です。現在1つのアプリにSDKの複数導入を行う場合でもApp StoreやGoogle Play ストアでのアプリ のリリースやアップデートへの障壁は少ないため、他のSDKでは国内需要の高い海外プレーヤーとなる「AppsFlyer」や「Adjust」などと併用して「Firebase 向け Google アナリティクス」を導入していくケースも非常に多くみられます。

※Googleアナリティクスとしては無料であるが、バックエンドサービスとして使用する場合は月額・従量課金のプランあり

 

Google アナリティクスの「アプリ+ウェブ プロパティ」の登場により、今後「Firebase 向け Google アナリティクス」の需要や導入シーンは増加傾向になると予測できます。
アプリ向けSDKの導入に向けた実装ハードルは高く、設計力と技術力が求められますが、中長期にわたってクロスデバイスのデータ活用戦略に取り組んでいくのであればいち早く計測環境を整備し、実現していくことが重要です。

 

まとめ

Webサイトとアプリ両方の運営者であれば、「Google アナリティクス」と「Firebase 向け Google アナリティクス」を導入ののち、「アプリ+ウェブ プロパティ」の計測環境まで整備すれば、普段検証が難しかったユーザー層まで可視化され、データ分析や考察ができるようになります。「アプリ+ウェブ プロパティ」についての設定は「Google シグナル」使用により容易に計測開始が行えますし、タグの実装やアップデートに関しては「Google タグマネージャ」を使用すると管理や対応工数も抑えることが可能です。

 

Google および Google ロゴは、Google LLC の商標です。

 

<DL資料>はじめてのGoogle アナリティクス 360

 

 

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