コロナ禍における、BtoB企業の新規顧客獲得戦略 ―FORCASを活用した分析手法―

2020.08.19

  • author-内田 充子
  • b- CRM
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昨今の情勢の変化に伴い、BtoB企業はこれまでのオフラインを主とするアウトバウンド的な営業プロセスからの脱却を余儀なくされました。しかしながら、「未だどのようにデジタル施策を行えばよいか分からない」という意見も散見されます。そこで今回は、BtoB企業のマーケティングご担当者向けに、デジタル施策のひとつとして企業データベースFORCASを利用した顧客分析、及び新規顧客獲得への活用方法をご紹介いたします。

本記事では、『 デジタル時代の基礎知識『BtoBマーケティング』』の内容をもとにお伝えいたします。 書籍購入をご希望の方は下記からご購入ください。

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FORCASのご紹介

FORCASの機能

FORCAS(URL: https://www.forcas.com/)とは企業データ分析ツールのことです。144万社以上の企業情報に対して、「業界区分」や「利用サービス」、企業の状況・傾向等を表す「シナリオ」といった独自のデータベースを保有しています。このデータベースを、自社データであるMACRM などに連携させることによって、自社データの高度な分析を可能にし、ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)を加速させることにつながります。

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出典:『デジタル時代の基礎知識『BtoBマーケティング』 』翔泳社

(図1:顧客の分析プロセス)

ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)の考え方

ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)とは、従来の幅広い顧客に対してのアプローチ手法とは対照的に、顧客を明確に絞り自社にとって価値の高い顧客にリソースを集中させる手法のことです。リソースを集中させることによって無駄を減らし、より戦略的な取り組みを可能にさせる大きなメリットがあります。FORCASは、このABMの手法を容易にする分析ツールとして注目されています。

FORCASを活用した自社データ分析

自社データとの連携による分析マスタの作成

FORCASでは、自社データと連携を行うことで、蓄積された企業データを拡充し分析の幅を広げることができます。自社データの顧客IDや正式企業名称を突合キーとして結合させ、加工・変換し分析マスターデータとしてデータマート(目的に合わせて必要なデータを抽出したデータベース)を作成します。

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出典:『デジタル時代の基礎知識『BtoBマーケティング』』翔泳社

(図2:自社データと外部データの突合)

分析用のマスターデータは、自社データと外部データが連携されており、これにより、自社データだけではできなかった業種・業界や商品別などの分析ができるようになります。

4つの切り口

突合させた分析マスターデータを、以下の4つの基本的な切り口によって分析を行っていきます。

  1. 業界・業種:どの業界・業種が多いかを把握します
  2. 売上高・資本金:顧客セグメントの作成による高度な分析を行います
  3. 商材・顧客別:売れ筋の商品軸を分解して分析します
  4. 時間軸:上記の3項目に対し、月次・年次での比較を行います

1.業界・業種

業界区分別にリード(見込み顧客)や既存顧客の数を把握します。営業担当者がなんとなく把握していた内容を可視化させることで、傾向値を捉えたうえで社内として施策を打ち出すことが可能になります。

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出典:『デジタル時代の基礎知識『BtoBマーケティング』』翔泳社

(図3:業種区分で顧客数を調べる)

 

2.売上高・資本金

売上高と資本金でマトリックスを作成します。自社のリードや既存顧客をセグメント別にすることで、セグメントごとの企業数を把握することができます。

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出典:『デジタル時代の基礎知識『BtoBマーケティング』』翔泳社

(図4:売上高と資本金での顧客分析)

例えば、下記のようにA~Pの16にセグメントを分けたうち、市場占有率(対象顧客数÷上場企業数)が高い順に並べ直すと、D,E,Cのセグメントの企業の市場占有率が平均より高いことが分かります。一方、Dと隣接するG,Hのセグメントは市場占有率が低いため、取引先を増やす余地があると考えることができます。

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出典:『デジタル時代の基礎知識『BtoBマーケティング』』翔泳社

(図5:顧客セグメントごとの市場占有率)

 

3.商材・顧客別

自社の商材・商品別に分類をしたときに、どのくらいの企業が利用しているのかを把握します。

33193938772_06出典:『デジタル時代の基礎知識『BtoBマーケティング』』翔泳社

(図6:売れ筋の商品軸で導入企業数と商品単価、粗利率を分析する)

例えば上記だと、購入数が多く単価も高い商品がC,Dとすると、一方で購入社数も少なく単価は低いものの粗利率が高い商品がG,Hということが分かります。戦略としては1.高単価の商品C,Dに力を入れ売上増を狙う というものと、2.低価格だが粗利率の高い商品G,Hに力を入れ利益を上げる というものが考えられます。

4つの切り口によってできること

これらの切り口でみてみると、既存顧客の分析によって優良顧客を選定することはもちろん、リードに対してのアプローチ手法をじっくりと考えることができます。

分析内容をもとにした新規顧客獲得のためのアプローチ手法

直接的アプローチ

短期的に結果を出したいときにおすすめの手法となります。上記の4つの切り口で分析した優良顧客や、開拓余地のある企業と同じような特徴を持つ企業をFORCASより抽出し、成約確度の高い企業としてアタックリストを作成します。また、営業活動を行った際の結果は自社で蓄積して、再分析をすることでより精度の高いリストを作成することもできます。

リードに対しても、同様の絞り込みの方法で直接的なアプローチを行うことが可能です。

間接的アプローチ

中長期的な顧客醸成を考えるうえではおすすめの手法です。例えば、サービスサイトを立ち上げ、顧客の特性を生かしたブログ(コラム)記事の執筆を行うのもひとつの戦略です。ブログ記事より深い内容のダウンロード資料(ホワイトペーパーといいます)も併せて執筆し、ダウンロードの際に企業名・担当者名・アドレスなどの記載を必須にすることで、当該記事に興味を持った企業の情報を集めることも可能となります。

また、少し難易度は高いですが、リード獲得のために、企業の興味を引きそうな内容のセミナーを開催するのもよいです。いずれにしても、興味を持っていただいた企業を集客し、企業名を控えることがリードの獲得につながります。また、問い合わせフォームを用意することで、さらなるリードの獲得にもつながります。

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出典:『デジタル時代の基礎知識『BtoBマーケティング』』翔泳社

(図7:ホワイトペーパーをダウンロードするまでのユーザーの行動)

このように獲得したリードに対し、メルマガなどを送付し定期的に情報を提供することで、担当者の興味を醸成することも可能となります。

まとめ

未曾有の出来事の渦中において、とりわけBtoB企業は営業的に大きな転換点にあるかと存じます。本記事では、新規顧客の獲得についてご紹介させていただきました。デジタルマーケティングをうまく活用することで、より少ない人員・労力で多くの成果を上げることにつながります。

アイレップでは、MA・CRMの運用や、データ統合及び各ツールによる分析を行っております。また、Webサイトが正しく活用できているかを確認するアクセス解析も積極的に行っております。

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