コロナウイルス・米大統領選挙などを経て、メディアとユーザー行動はどう変わった?~ソーシャルメディア+α【前編】~

2021.03.26

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この記事の著者

後藤 千裕

2014年デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社へ入社。Twitter担当として広告商品の拡販、広告運用業務に従事。2016年よりアイレップへ参画し、ソーシャルメディアを中心に広告商品の拡販、運用、アイレップ独自商品の開発などを担当。直近では各プラットフォームと協業し、企業(広告主)向けのクリエイティブワークショップの実施、セミナーへの登壇など活動の幅を広げている。

▼趣味/特技
90~00年代にまつわること全般が好き(特に90~00年代のガールズカルチャー)/身近な人のモノマネ、歌マネが得意(Chara、中島美嘉、絢香など)

2014年デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社...

2020年、人々の生活は大きく変化しました。新型コロナウイルスによる影響で「おうち時間」が増加したことで、メディアの使われ方も今までとは違ったものになりました。本記事は、2020年を通してユーザーとメディアにどのような変化があったのか、続きとなる後編では昨今各プラットフォームで注目されるプロダクトをお伝えします。

1. 新型コロナウイルス×メディア×ユーザー行動

1-1. はじめに

2020年を表す漢字は「密」でしたが、私たちの行動の変化で目立ったのは「繋」や「共」という漢字なのではないでしょうか。オンライン上でのつながりを求める動きが加速し「一緒に〇〇しよう」といった動きが多くありました。

今ではすっかり一般的になったリモート飲み会(著者が家族でオンライン飲み会をしたときの一枚)

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星野源さんの「うちで踊ろう」は自宅で演奏したりダンスを踊ったり、一般の方から芸能界の方々まで幅広く親しまれたコンテンツになりました。

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参照元:YouTube 星野源公式アーティストチャンネル 2020年4月5日「星野源 – うちで踊ろう Dancing On The Inside

このような動きのなか、外出を自粛し、自宅での過ごし方に関するキーワードの検索が増加しました。

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参照元:Googleトレンドより、各キーワードの検索結果

このキーワードの伸びは、2020年のユーザーとメディアの関わりに直結する、大きな特徴を表しています。大きく5つのテーマに分けると、このようになるかと思います。

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1-2. VODサービスの伸長

自宅にいる時間が増えた2020年。日本における YouTube の視聴人数が飛躍的に増加し、同年 9 月の YouTube 月間利用者数は 6,500 万人を超えました※1

新型コロナウイルス感染症による外出自粛の影響で、自宅で過ごす時間が増え、動画配信サービスや動画共有サービスを利用する人が増えました。その流れを受けて YouTube も 動画サービス利用者の 74% が「利用が増えた」と回答しています。

※1:Think with Google 2020年12月「月間 6,500 万ユーザーを超えた YouTube、2020 年の国内利用実態──テレビでの利用も 2 倍に

また、SVOD(サブスクリプション型ビデオ・オン・デマンド)の利用も市場全体で拡大を見せました。

特に、各SVODサービスによるオリジナルコンテンツにおいて、Netflix「愛の不時着」「梨泰院クラス」、ABEMA「M 愛すべき人がいて」などはSNS上でも大きな話題となりました。

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※アイレップ自社調べ

(キーワード「愛の不時着」のツイート数推移)

キーワード「愛の不時着」のツイート数推移。7月~9月頃まで毎週金曜にグラフの波が急上昇していますが、Twitterを検索してみると「みんなで同時鑑賞しながらツイートする」という動きが取られていた様子。

TVやスポーツなど、リアルタイムなコンテンツ・話題とTwitterの親和性が良いことがここからもうかがえます。

1-3. ライブ配信・ライブコマース型EC

各プラットフォームにおけるライブ配信機能利用・機能拡充も目立ちました。
YouTubeでは、ミュージシャンが音楽ライブをプレミア公開するなど「大人数向け」のコンテンツが多数公開されました。

Twitterでは、Twitter Japan株式会社とコンテンツパートナーが帯形式のライブ配信番組を継続的に配信していたり、Instagramライブ (以下、インスタライブ)においては、タレントが私生活をライブ配信しながらファンとコラボレーションするなど、オンラインでのファンコミュニケーションに使われることが多かったと思います。

なかでもインスタライブの利用は活発で、新型コロナウイルス感染拡大後、Instagramのストーリーズ投稿の平均表示回数、ユーザーのストーリーズ投稿の閲覧時間や閲覧頻度が上昇。インスタライブの機能利用数は全世界で50%増加しました※2

加えて、ECサービス・宅配サービスが伸長したこともライブ配信の伸長に影響していると言えます。調査によると、新型コロナウイルスによるパンデミックをきっかけに商品購入がデジタルシフト化しており、オンライン購入ユーザーは今後も増加傾向にあると考えられます。

※2:アクセンチュア 調査レポート 2020年4月 ” How COVID-19 will permanently change consumer behavior”


結果、ライブ配信による接客手法も多く採用されました。

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参照元:SHIPS SHOPPING TV

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参照元:BEAMS LIVE SHOPPING

 

インスタライブやTwitterも、このようなライブコマースに数多く活用されました。

▼インスタライブでの商品紹介
To the sea」Instagramアカウント
https://www.instagram.com/tothesea_hawaii/より
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▼Twitterライブ配信番組「かまいったーTV」×アディダスジャパン
「かまいったーTV【公式】」Twitter
https://twitter.com/KamaitterTV/status/1342062642823774216

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アイレップではInstagramをはじめとしたライブコマース型企画立案~EC運営までを手掛けるサービスをご提供しています。「ソーシャルコマース ワンストップパッケージ」についてはこちらをご覧ください。

1-4. 音声メディアの台頭

3つ目は、音声メディアの利用増加についてです。スマートスピーカーの普及、ワイヤレスイヤフォンの普及、家事・運動の“ながら視聴”が影響したと考えられます。

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画像出典:https://o-dan.net/ja/

Spotifyが昨年10月に開催したビジネスオーディエンス向けのイベント「loveAudio Oct. ウェビナー~ 音声広告の未来 ~」では、Spotifyにおける日本の広告事業は前年比140%伸長、2020年7-9月に関しては前年比350%にも上ったことが発表されています。

また、Spotifyがユーザーに対しておこなった調査によると「新型コロナウイルスの影響があって以降、ポッドキャストの利用が増えた」と回答したユーザーは全体の56.9%でした。

なかでも特徴的なのは聴取時のデバイスで、スマートスピーカーの利用が77.2%、ゲームコンソール利用が81.5%、スマートテレビ利用が89.3%といったように、スマートフォンやPC以外での利用が目立つことではないでしょうか。※3

※3:Spotify Advertisingニュース「loveAudio Oct. ~音声広告の未来 for ブランドマーケター~ 録画を公開

最近ではClubhouse(関連記事はこちら) のような音声SNSも話題になり、Stand.fm・Radiotalk・Voicyといった音声配信系サービスも利用者が増加しています。(筆者の周りでも徐々に配信する人が増えてきました。)
詳しくは音声コンテンツの記事を公開予定ですので、そちらの記事をお楽しみに!

1-5. シェアする文化の活性化

冒頭で記載したように、「つながり」や「共有する」といった行動が目立ったなかで、各SNSの使われ方にも変化がありました。

LINEでのコミュニケーションにおいては、チャットツールとしてはもちろんですが、みんなで映像を観る・みんなで会話するといったことが可能になりました。

 

Instagramは“見るだけ”から“拡散もする場所”へと変化しました。「ストーリーズバトン」が回ってきた、という方も少なくないのではないでしょうか。

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画像出典:https://guide.line.me/ja/

Instagramは“見るだけ”から“拡散もする場所”へと変化しました。「ストーリーズバトン」が回ってきた、という方も少なくないのではないでしょうか。

▼友人をタグ付けしてストーリーを引用しながら拡散していく「ストーリーズバトン」では、絵しりとりや連想ゲームが流行。
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▼Spotify、AppleMusicなど音楽サービスや、TikTokのコンテンツをInstagram ストーリーズでシェアすることも可能。「自分がイケてる!面白い!と思ったものを周りにも広めたい」という気持ちで私自身もよくやります。

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また、インスタライブのスクリーンショットを添えて、コメントとともにTwitterへ拡散されていくパターンも 。リアルタイムでライブ放送を見られた「プレミア感」も作用しているのかも?

▼キーワード「インスタライブ」ツイート数増加の様子。ゴールデンウイーク中の顕著な伸びが伺える。

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参照元:アイレップ調べ 2019/12/01~2020/05/31

2020年秋、Twitterからも“より、気軽な投稿”が期待される機能が登場しました。「Fleet 」は、Instagramのストーリーズのように画像・動画が全面に表示され、24時間で投稿が消える仕様です。

テキストコミュニケーションが主軸だったTwitterですが、この機能の登場により活用のされ方が変わってくるかもしれません(今のところは、企業やタレントの公式アカウントがInstagram ストーリーズへの投稿と合わせて使っていることが多い印象です)。

▼Fleet の投稿イメージ。自分の投稿したFleet を添付してツイートすることも可能。

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1-6. 短尺動画SNSが流行

短尺動画といえばTikTok、というくらい存在の大きくなったTikTokですが、なんと、2019年11月から2020年4月までの5か月間で累計ダウンロード数が5億回分も増加しています※4
動画SNSの金字塔というべき存在ではないでしょうか。

※4:SensorTower 2020年4月29日「TikTok Crosses 2 Billion Downloads After Best Quarter For Any App Ever

TikTokからは「TikTokユーザー白書」と題したユーザー調査が第3弾まで公開されています。

注目すべき特徴は
・無目的で回遊するユーザーが何かを発見する場所であること
・たまたま面白い動画に出会える場所と認識されていること
・“興味からズドン“と、興味突破で購入までたどり着くこと
などではないでしょうか。

また、2020年夏にはInstagramから「リール」 が登場しました。TikTok同様、短尺動画で遊べるのが特徴で、日本では早速「よしもとリール王決定戦」が開催されるなどオフィシャルな活用も目立っています。


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参照元:荒川 エルフ Twitterアカウント 2020年12月28日(https://twitter.com/hzkzkzh/status/1343230313292390401)

Instagram リールの普及においても、TikTokと似た部分・違う部分が出てくると考えられますので、のユーザーの動向に注目&期待したいと思っています。

2. Facebook・Twitterにおける米 大統領選挙への対応

2-1. 米大統領選挙への対応とは?

2020年の米国大統領選挙に際し、各 SNSでは慎重な対応がおこなわれました。

2016年の米大統領選挙の際、SNS を活用した選挙戦がヒートアップした結果、信憑性の不明な情報に左右されたり、ヘイトスピーチ(誹謗中傷)が飛び交う事態になってしまったのです※5。 

※5:ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 2016年11月11日「米大統領戦、SNSが大きな役割 批判も

これを受けて、Facebook・Twitterでは数年前から対策がおこなわれてきました。(以下、すべてが本件の対策目的というわけではありません)

2-2. Facebook・Instagram

1. 二段階認証設定の徹底

不正ログインに備え、ビジネスマネージャー/個人アカウントのどちらも二段階認証が義務化されています。

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(二段階認証設定画面イメージ)

2. ニュースフィードのアルゴリズム変更

同じテーマのニュースが複数ある場合、どれがオリジナルかをAIが解析し、オリジナルニュースの表示を優先する変更がなされました。

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参照元:ITmedia, Inc. 2019年05月17日 「Facebook、ニュースフィードのアルゴリズム変更で「より関連性の高いコンテンツ」優先に

3. Twitter

1. 約30万件のツイートにラベル付け
米国大統領選関連のツイートに対しラベル付けをおこない、ラベルや警告メッセージが適用された後で該当ツイートを表示する変更を加えました。

2. 引用ツイートの推奨
誤情報の拡散を抑制するため、デフォルトのリツイートを引用ツイートの形式に変更。リツイートは23%減少し、引用ツイートは26%増加したと発表されています。

3. トレンドの 「おすすめ」には背景情報を追加
Twitterの目標は、今、何が起こっているのかを理解できるようにすると同時に、誤解を招く可能性のあるトレンドについては確実に背景情報を提示すること、としています。
※上記3点参考:Twitterヘルプセンター「2020年米国大統領選とTwitter

4. 会話に参加できる人をコントロール
自分のツイートに返信できるアカウント範囲を制限できるようになったことで、ユーザーへの攻撃を防ぐ役割があります。

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3. まとめ&後編に向けて

はじめに上げた5つのポイントについて、注目すべき点をまとめます。

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本記事では、ユーザー行動とメディアの変化についてお伝えいたしました。
後編では、このような変化を踏まえて各SNS(Facebook/Instagram・Twitter・LINE)の注目すべきプロダクトおよびアップデートをまとめてお伝えいたします。

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