ソーシャルコマース実践!キャスティングのポイント

2021.04.07

Share

昨今の外出制限をうけ、生活者のWebサービス接触時間の増加、および購買行動のデジタルシフトは加速しています。可処分時間の多くがSNSで使われる時代だからこそ、デジタル上でのファンとの対話を重視したソーシャルコマースは今、取り組むべき施策といえるでしょう。

1.日本におけるソーシャルコマース活用について

機能的価値を超えた、体験価値を伝える

コロナ禍で売り場が落ち込むなか、デジタル上でのブランド体験は重要度を増していきます。いま生活者が求めている情報は、そのブランドの理念や商品が、自身の価値観と合致しているか、自分らしいものなのか、その答え合わせです。つまり、ブランドとのコミュニケーションを通し、機能的価値を超えた体験価値を求めています。情報過多の時代における生活者は、数多のブランドからの一方的な情報を仕分け、共感と自分事化を軸にブランドを好きになる傾向があります。生活者がインフルエンサーの言葉に反応し行動するのは、身近な憧れの言葉に共感し、自分と重ね合わせているのです。

2. 多様化するインフルエンサーとその背景

細分化されたジャンルに特化していく

昨今のインフルエンサージャンルのトレンドは、細分化です。美容系、ファミリー/主婦系、フィットネス系やライフスタイル系など、さまざまなジャンルに特化したインフルエンサーの台頭が顕著にみられます。さまざまなプラットフォームの台頭により、多くの人気インフルエンサーが生まれ、人気コンテンツのトレンドも目まぐるしく変わり続けています。

しかし、どの媒体においても、人気インフルエンサーの共通点は情報の濃さと自身の確立されたライフスタイルです。

また、昨今では顔だしなし・声なしのインフルエンサーが増加傾向にあります。従来、ファンは人に対し付くことが多かったのに比べ、いまでは対コンテンツにつくといっても過言ではありません。その要因のひとつとして、インフルエンサーとして生計を立てる仕組みが整ってきたこともあり、コンテンツの質が上がっているからだといえるでしょう。

調査によると、デジタルメディアのうち、ユーザーの使用時間が増加したのは「パソコン」(5.9分増)と「携帯電話/スマートフォン」(3.6分増)となり、「携帯電話/スマートフォン」の接触時間は121.2分と初めて120分を超えました。このようにユーザーの情報検索はSNSでおこなわれていくなかで、ターゲットやマーケティング目的によってデジタル戦略およびインフルエンサーを使い分けることが重要になってきます。

画.jp44034144581_01

参照元:メディア環境研究所 「メディア定点調査

3.キャスティングのポイント

インフルエンサーキャスティングにおける重要なポイント

インフルエンサージャンルの多様化によりコミュニティも細分化 しているなか、さまざまなコミュニティにリーチできるよう立体的なキャスティングが求められています。施策の目的を明確にしたうえで、さまざまなジャンルのユーザーにリーチできるよう、ターゲットと商品を繋げるインフルエンサーの選定が重要となります。実際のキャスティングにおいて念頭に置くべきポイントを以下でご説明します。

インフルエンサー分析と事前インプット

前述のように、インフルエンサーのタイプ、強みは細分化しており、各インフルエンサーの性質に関してのユーザーの見る目も鋭くなってきています。#PRに対する否定感よりも、インフルエンサーが本当に好きなものを紹介していない場合にユーザーのエンゲージメントが下がる傾向があります。起用したインスタグラマーが本当にブランドを好きなのか、愛用してるのか、それとも「お仕事」で言ってるだけなのか、ここに視聴者の見極めポイントがあるのです。そのため、ファンの「好き」に合うか?またインフルエンサー自身のブランディングにつながるか? 商品やブランドのファンやファンになりうるインフルエンサーをしっかり見極める、また事前に商品について知ってもらう時間を設けることが大切になります。また、それを知るインフルエンサーたちにとっても案件の取捨選択は自分のブランディングでもあるため、自分の知らない、好きになれない案件は可否が通りづらくなってきています。

知名度と売上は比例関係ではない

もちろんメガインフルエンサーは多くのフォロワーを獲得しているので拡散力は高いです。しかし、拡散力が高くなるほどユーザーからのエンゲージメントが下がる傾向にあります。みなさんも経験として、この人は有名だから、とフォローしているアカウントはあるかと思います。このようにインフルエンサーのファンではない層からのフォローが集まると、普段の投稿にもあまり興味を持っていないことが多いため、コメントやいいね、リツイートなどのエンゲージメントは集まりづらくなり、その結果購買につながる割合は低くなることがあります。逆に、知名度がそれほど高くなくてもデジタル上のファンの高い熱量で、商品が大きく動くことがあります。目的によって、インフルエンサーの起用分けが必要です。

4.まとめ

日本におけるソーシャルコマースでは企業の一方的な情報発信ではなく、ユーザーを巻き込んだ能動的商品認知が重要となります。企業側はブランドとユーザーの懸け橋として、多様化するインフルエンサーの中から、最も”友達目線”でおすすめしてくれるキャスティングを心がける必要があります。ターゲット・商品・インフルエンサーをつなぐ一つの共通点を見出すことで、熱量の最大化を見込むことが可能です。

アイレップではソーシャルコマース支援もおこなっています。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。

この記事の著者

DIGIFUL編集部

「DIGIFUL(デジフル)」は、(株)アイレップが運営する「デジタル時代におけるマーケティング」をテーマにした、企業で活躍するマーケティング担当者のためのメディアです。

当社がこれまでに得たデータや経験から、具体的事例・将来展望・業界の最新注目ニュースなどについて情報を発信しています。ニュースやコラムだけでなく、日常業務や将来のマーケティング施策を考えるときに役立つダウンロード資料や、動画で学べるウェビナーコンテンツも随時追加していきます。

デジタルマーケティングの最新情報や知見を得るための信頼できる情報源の1つとしてお役立てください。

「DIGIFUL(デジフル)」は、(株)アイレップが運営する...

Share

一覧に戻る