事例から見るYahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型) 精度改善方法

2021.09.07

Share

この記事の著者

東田 陽介

2013年にアイレップ入社。入社当初より、大規模ECサイトの運用担当として従事。また広告を中心として、金融・保険やアパレル、電子書籍出版など幅広い業種のコンサルティングを経験。これまで運用ノウハウや知見を体系化し、社内の人材育成業務も兼務しながら、デジタルマーケティングの推進に取り組んでいる。

趣味:映画鑑賞、料理

2013年にアイレップ入社。入社当初より、大規模ECサイトの...

Yahoo!広告は2019年から2020年度にかけて順次リニューアルされており、統合されたプラットフォームで広告目的に応じた柔軟な出稿が可能になりました。そこで、新プラットフォームの機能解説から、成果を創出する最新事例までご紹介します。

ディスプレイ広告(運用型)の特長

これまで、ヤフーが提供する広告プロダクトは、純広告と呼ばれていたプレミアム広告と、運用型広告と呼ばれていたプロモーション広告のふたつに分かれていました。その広告プロダクトが2019年11月よりYahoo!広告というひとつのプラットフォームに統合され、ディスプレイ広告の中に運用型、予約型、そして検索広告が連なる立ち位置になっています。

また従来は4つの広告ソリューションが存在していましたが、Yahoo!広告の運用型、予約型のふたつに統合されたのが、大きな変更点になります。2019年8月から、Yahoo!広告に関するサービス提供の取り扱いが、限定的な代理店に開放されてYahoo!ディスプレイ広告(運用型)(以下、YDA)の移行が始まりましたが、2020年4月に全ての代理店にこのサービス提供の権限が開放されています。そして、2020年7月には、個人事業主含めて全体に完全開放されました。

Yahoo!ディスプレイ広告の変遷を辿ると、まず2009年にインタレストマッチが登場しました。これは、クリエイティブの内容に応じて、配信ユーザーと配信面が決まるため、クリエイティブの重要性が非常に高い時代でした。2013年頃から、Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(以下、YDN)に移行し、この頃からターゲティングの重要度が増し、リターゲティングやサーチターゲティングといったメニューが登場してきました。さらに2015年にはインフィード広告が登場します。時代背景としては、検索市場におけるPCの利用率が非常に多かった時代から徐々にスマホのシェアが高まり、シェアが逆転してきた頃合いになります。閲覧時間の長いスマホには、同じクリエイティブが繰り返し表示されることが多いため、クリエイティブを高い品質で早いスピード感で回せることが、インフィード攻略のポイントとなってました。そのようななか、2020年よりYDAへの移行が始まり、自動最適化の機能に代表されるAIの性能が向上し、よりクリエイティブに注力すべき時代に入ってきたと同時に、入札やターゲティングの影響度は相対的に低くなっていきました。

52183771733_01

(図1:ディスプレイ広告の変遷)

プラットフォーム統合による機能整理

従来のYDNから変更になったポイントは大きく3つあり、「広告プロダクトのシンプル化」「広告管理ツールのリニューアル」「配信アルゴリズムの刷新」が挙げられます。中でもクライアント企業にとって非常に重要な「配信アルゴリズムの刷新」においては、以下の機能アップデートがありました。

(1)日予算スムージング機能
今までのYDNでは、広告に対して予算を設定した場合、その予算を1日の中で早いタイミングに投下してしまうというような仕様でアルゴリズムが動いていました。つまり、獲得効率が見合わないオークションに対しても、優先的に配信が為されていた可能性もありました。一方で、現在のYDAにおいては、獲得効率をオークションごとに参照し、より獲得効率の高いオークションに優先的に配信していく機能があり、予算をスムージングしながら配信していく特長があります。

(2)キャンペーン目的別最適化
今までも予測アクション率が広告の品質を決める重要な指標でしたが、YDAにおいては、目的ごとに最適な予測アクション率が搭載されます。具体的には、「コンバージョン」「アプリ訴求」「商品リスト訴求」「サイト誘導」「動画再生」の5つの中から、広告掲載の目的に合わせて、選択可能になりました。今までは、例えば、「コンバージョン」目的で出稿していた広告と、「動画再生」目的で出稿していた広告が、同じ土俵で競合していた形になりますが、現在は棲み分けされ、オークションランクと呼ばれる広告品質の精度も向上しています。それによって、獲得効率向上が期待できる点がふたつ目のアップデートになります。

(3)自動入札アルゴリズム刷新
自動入札における入札価格は、目標値として設定しているCPA(Cost per Acquisition)に予測CVR(Conversion Rate)を掛け合わせて算出されます。YDAにおいては、その予測CVRの算出根拠として新しく、「ユーザーアクセス時間」「地域」などのシグナルも、現在は使用されるようになります。情報量が多ければ多いほど、予測の精度も高くなることが想定されるため、自動入札のパフォーマンスが向上することも期待できます。

新プラットフォームを活用した成果創出事例

ここからは上記で説明したプラットフォームのアルゴリズム刷新を踏まえ、好成果を創出した事例についてご紹介します。

(1)自動入札を活用した改善事例

■広告グループ統合
金融・クレジットカード業界のクライアント企業で、CPAを維持しながらコンバージョン拡大を図りたいという課題に対して、アプローチした施策です。従来は性別と配信面の観点で4つに広告グループを分割した構成で配信していましたが、自動入札の参照シグナルがアップデートした点を加味して、ひとつの広告グループに統合して配信した結果、前後比でCPAを40%改善させながら、コンバージョンも約3倍に拡大させることが実現できた、好成果事例となっています。

52183771733_02

(図2:広告グループ統合01)

52183771733_03

(図3:広告グループ統合02)

■少コンバージョン運用
従来はコンバージョン母数が少ないと自動入札の学習が上手く機能しないといった懸念がありましたが、ヤフー株式会社推奨の月間コンバージョン50件を満たない案件においても、自動入札を導入した結果、大幅な成果改善を実現できた事例です。前後比でCPCは80%ほど上昇していますが、それを上回るCVRの改善が伴った結果、CPA効率も良化させながらコンバージョン拡大が図れている結果になります。

52183771733_04

(図4:少コンバージョン運用)

(2)スマートフォン ブランドパネル 広告配信の少額運用事例

■スマートフォン ブランドパネル 広告枠の配信ロジック・少額運用の配信事例
スマートフォン ブランドパネル 広告枠への配信は、ブランド認知を目的としたインプレッション課金形態となり、2020年6月より提供開始されたスマホトップページへの配信メニューです。美容業界のクライアント企業において、一定のご予算を確保して配信したところ、最低入札単価の仕様制約の影響もあり、月中で停止せざるを得ない状況が見受けられました。

いくつかの配信実績をもとに、リーチ数と配信コストの相関を検証したところ、リーチ数が配信コストに比例するといった傾向が捉えられたため、オーディエンスを制御することで少額からのトライアルも可能ではないか、という仮説を立てました。そこで翌月にオーディエンスを制御して再配信した結果、同一のご予算内で月間を通して配信することが実現できました。またリーセンシーを短く制御したため、CPAも1/3程度に抑え、獲得効率にも寄与した事例となります。

52183771733_05

(図5:SPブラパネ枠の配信ロジック)

 

52183771733_06

(図6:少額運用の配信事例)

(3)CPC(Cost Per Click)課金動画の成果事例

■新プラットフォームにおける配信ロジック
YDA動画の配信メニューは、旧プラットフォームにもありましたが、新プラットフォームに移行するにあたり、視聴課金からクリック課金に課金形態が変更になりました。これにより、CTVR※1の高い広告が評価されやすいため、CPAを合わせつつ配信ボリュームを拡大しやすくなります。

※1:CTR(Click Through Rate)×CVR(Conversion Rate)で表され、デジタル広告におけるレスポンス状況を把握するための指標。

化粧品業界のクライアント企業において、新しくコンバージョン目的で動画配信を実施した結果、獲得効率も維持しながら、件数の拡大に寄与した事例となります。

52183771733_07

(図7:CPC課金動画事例01)

■従来のCPV(Cost Per View)課金と比較した改善指標
学習塾のクライアント企業においては、過去にCPV課金で動画配信を実施した事例がありましたが、YDAへの移行後、過去と同様のターゲティングで配信した結果、CPM、CPCの大幅な改善に繋がり、CPC課金で配信することでの改善指標として捉えることができます。

52183771733_08

(図8:CPC課金動画事例02)

まとめ

(1)自動入札のアルゴリズム刷新
CVRの傾向差に基づき、広告グループ統廃合の判断を。
また精度向上により、少コンバージョンの自動入札導入でも効率的な拡大のチャンスあり!

(2)スマートフォン ブランドパネル 広告配信でも、少額からのトライアルは可能
オーディエンスを制御することで予算水準のコントロールは可能に。
獲得効率も見合い、一等地への掲載チャンスあり!

(3)YDA動画がクリック課金で配信可能に
ダイレクトレスポンスの成果に繋がりやすい動画配信が可能に!

Share

一覧に戻る

おすすめのダウンロードコンテンツ

人気記事ランキング

この著者の人気記事

人気のタグ

無料メルマガを購読する

DIGIFULのSNSをフォローする

  • Twitter
  • Facebook
  • Linkedin