【限定イベントレポート】アメリカで大人気なSNS”Snapchat”が提供する広告ソリューションをご紹介

2021.09.30

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アメリカを中心に海外で人気のあるSNS「Snapchat」を運営するSnap Inc.が、2021年9月16日に日本では初となる広告代理店限定のウェビナーを開催しました。

ウェビナーではSnapchatの最新動向や広告ソリューション、今後のマーケティングでの活用における可能性について紹介されました。本記事ではSnapchatの特徴を説明するとともに、今回のイベントで語られたSnapchatでのマーケティング活用についてご紹介します。

アメリカで大人気なSNS「Snapchat」とは

Snapchatと聞いても日本ではあまり馴染みのない方が多いかと思います。しかし、アメリカを中心としたグローバルでの認知度は高く、世界のデイリーアクティブユーザー数は2億9300万人にも上ります。とりわけ、10代を中心とした若年層に人気なSNSです。

Snapchatは簡単に言うとFacebookなどと同様のチャットアプリですが、他SNSと比較した最大の特徴としては、投稿の閲覧可能時間を1秒から10秒の間で任意に設定でき、その時間を過ぎると送られた写真や動画が見られなくなるという点です。心理的なハードルが下がるため、ユーザーは気軽に写真や動画のシェアができます。このような斬新な点が海外の若者を中心にSnapchatの人気が高い要因と言えるでしょう。

Snapchatの主な5つの機能

Snapchatにはマップ・チャット・カメラ・ストーリーズ・スポットライトの5つの機能があります。ここからはそれぞれの機能について、説明します。

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(図1:Snapchatの5つの機能イメージ)

(1)Snapマップ
ユーザーによってSnapマップに投稿された様々なコンテンツを見ることができ、フレンドと現在地をシェアしたり、近所のイベントをチェックすることができます。図2のようにヒートマップが表示され、タップするとユーザーの投稿が表示されます。

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(図2:ヒートマップと表示されるコンテンツ)

(2)チャット機能
フレンドにメッセージや写真・動画などを送ることができます。その際、さまざまなスタンプやARでのエフェクトを用いて加工することができます。またカメラ機能で撮影した動画や静止画をフレンドへ送る際は10秒間までの任意の秒数を選択することで、その秒数の間のみ見ることができます。

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(図3:チャット機能イメージ)

(3)カメラ機能
このカメラ機能を使って撮影した画像や動画をチャットやストーリーでシェアすることができます。カメラ機能上で、動画の編集やAR・フィルターの適用、音楽の追加などができ、自分なりにカスタマイズした動画や画像を撮影できます。

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(図4:カメラ機能による音声追加イメージ)

(4)ストーリー
ユーザーが任意に設定した公開範囲に対して撮影した動画を公開することができる機能で、他のSNSでよく見かけますが、Snapchatが初めて開発した機能です。公開された動画は24時間のみ見ることができます。

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(図5:ストーリーの表示イメージ)

(5)Spotlight
Spotlightは縦長動画コンテンツを上下にスワイプすることでシームレスに視聴できる機能です。カメラで撮影した動画をSpotlightにも投稿できます。Spotlightに投稿することで世界中にコンテンツを届けることができます。

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(図6:Spotlightでの視聴イメージ)

Snapchatイベントレポート:クライアントビジネスを成功に導くソリューション

ここからは2021年9月16日に開催されたSnapchat Agency Partnership Dayでの情報をもとにしたSnapchatの広告ソリューションをご紹介します。

Snapchatが提供する広告ソリューションの原則

注目を惹く
Snapchatは縦型フルスクリーンでの視聴が100%となっており、広告をユーザーにフルアテンションで視聴してもらうことができます。さらに70%の広告はサウンドオンで再生されるため、広告を通じて多くの情報をユーザーに伝えることが可能です。

・フルファネルアプローチ
より良い結果を導くため、認知~獲得~エンゲージメントまでフルファネルでアプローチできる広告フォーマットがSnapchatには存在します。広告フォーマット一式を活用してフルファネルでマーケティングをおこなうことが求められます。

・プライバシーを重視したソリューション
Snapchatは「プライバシーの遵守」を重要視しており、Snapchatの特徴として以下4点が挙げられます。

(1)消えていくメッセージ
Snapchatユーザーは誰とどれだけの期間、メッセージをシェアするか選択できます。そのためソーシャル上でもリアルな会話のように友人と繋がることができます。

(2)信用できる繋がり
ユーザーへの関連性の高い広告体験を通じて、ユーザーと広告主間の信頼関係を育み、広告主のビジネスに大きな結果をもたらすことができます。

(3)素早い適応
Snapchatは広告ソリューション開発当初からユーザーのプライバシー保護を重要視していました。そのためGDPR(※1)やCCPA (※2)などの個人情報に関する法律規制に先立つ事例を打ち出してきました。

※1:「General Data Protection Regulation」の略で、EUにおける個人データ保護に関する法律のこと。
※2:「California Consumer Privacy Act」の略で、カリフォルニア州の住民を対象とした個人データの保護に関する法律のこと。

(4)アドバンスドコンバージョン
Snap chatはAppleのATTフレームワークを考慮した設計をしつつ、ユーザーの広告体験と広告主の広告成果を最適化した計測システムを開発しました。

Snapchatが提供する広告ソリューション

Snapchatには主に「カメラ機能を用いたAR広告」と「コンテンツ広告」の2種類の広告が存在します。

・カメラ機能を用いたAR広告
ユーザーがカメラ使用時に掲載される広告で、AR機能などを用いた先進的な広告が配信できます。ARを用いた広告については後ほどご紹介します。

・コンテンツの合間に掲載される広告

(1)コマーシャル
コマーシャルは6秒間強制視聴の動画フォーマット広告です。ユーザーがフォローしているアカウントのストーリーやSNAP ORIGINALSと呼ばれるSnapchatの独自コンテンツ(https://snaporiginals.snapchat.com/)の間に表示されます。最大3分間の動画を配信することができ、6秒間はユーザーに動画を視聴してもらうことができるため、商材認知を促すのに適しています。

(2)ストーリー広告
ストーリータブの閲覧時に掲載される広告です。適切なターゲット設定をおこなうことでストーリー広告の効果を最大化することが可能です。

(3)コレクション広告
コレクション広告は最大4点までの商品数を訴求できる広告です。コレクション広告の活用によりユーザーに複数商材の訴求ができ、利用意向を高めることができます。

(4)アプリインストール広告
Snapchat上で企業のアプリをユーザーにインストールしてもらうための広告です。アプリ広告主はこの広告を活用することで、アプリのインストール数や、アプリ内課金などのエンゲージメントの最大化を目指せます。

(5)ダイナミックプロダクト広告
Snapピクセルを使用したダイナミック広告です。ダイナミックプロダクト広告の活用で、ユーザーの行動に合わせて最適な商品を訴求することができます。

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(図7:5つの広告イメージ)

Snapchatが提供するARを活用した広告「AR Try-on」

AR Try-onはその名の通りARを活用した「試着広告」で、ブランドや商品の体験を簡単に促すことができます。ファッション系やコスメ系の広告主と特に相性が良く、ユーザーの周辺空間にバーチャルストアに創り上げることなどができ、ブランド体験を仮想的に実現できます。

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(図8:AR-Try On活用イメージ)

複数の広告フォーマットの併用

Snapchatでは複数の広告フォーマットを併用することをお勧めしています。Snapchatユーザーはカメラとコンテンツの両方に触れるため、複数の広告フォーマットを併用することで、より良い結果を見込めます。実際に、カメラとコンテンツ広告の両方を活用することで、ブランド好意度が3.6倍、ブランド認知が1.6倍、行動意欲が4.6倍に向上した事例があります。

様々なオーディエンスへのリーチ

Snapchatでは「ルックアライク」「ピクセルオーディエンス」など管理画面上で様々なオーディエンスへの広告配信が可能です。ターゲティングの種類は豊富にあり、他主要広告プラットフォームと同等の機能が備わっています。

成功へ繋がる正しい計測手法

Snapchatにはアプリ計測・Web計測ともに豊富な計測手法があります。アプリ計測では「Adjust」や「AppsFlyer」など複数のMMPと連携しており、インストールやアプリ内イベントの計測が可能です。Web計測ではSnapピクセルがあり、他の広告媒体と同様にWebサイト上のユーザー行動をトラッキング・計測できます。それらの計測ソリューションを掛け合わせることで、複合的な計測も可能です。

さらに、Snapchat特有の計測方法として、アドバンスドコンバージョンがあります。アドバンスドコンバージョンはAppleのATTフレームワークを遵守した上で、広告成果を最適化できるようなソリューションです。通常、ATTによって計測の制度が悪くなるため広告主は成果の判断が難しくなります。アドバンスドコンバージョンはATTオプトアウトユーザーのコンバージョンをコホートとして集計します。そうすることで、ユーザーレベルのデータをより安全に保護しながら広告計測の最適化を図ります。

まとめ

Snapchatにはファネルを網羅できるほどの広告メニューが存在します。今でこそ日本ではSnapchatユーザーが海外と比較して多くはないものの、日本でも広告配信ができ、ARといった特徴を生かして訴求できる数少ないプラットフォームです。徐々に日本向けにローカライズされていることもあり、海外と同様、日本でも若者を中心にSnapchatのユーザー数が増加していくことが考えられます。また、すでに日本でSnapchatを使っているユーザーはイノベーター・アーリーアダプターであることが考えられ、成熟していないメディアだからこそリーチできるユーザーが数多く存在します。ARカメラといったSnapchatならではのマーケティングアプローチを活用して「次に流行る可能性があるSNS」Snapchatへの広告出稿を検討してみてはいかがでしょうか。

この記事の著者

井内 拓真

北海道の札幌出身で、小樽商科大学商学部を卒業後、2020年にアイレップへ新卒として入社。入社後から一貫して、クライアント企業へのメディアプランニングや媒体社向き合いの業務に従事。メディアプランニングはBtoBから玩具メーカーまで幅広い業種での企画・提案経験を持つ。

担当する媒体社は、ヤフー社やLINE社をはじめ、TikTokを展開するByteDance社やSpotify社など多岐にわたる。2020年4月より昨今のITPをはじめとするアンチトラッキング環境へ対応すべく、アイレップ社内で発足されたプロジェクトチームに参画。

北海道の札幌出身で、小樽商科大学商学部を卒業後、2020年に...

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