最近よく聞く「コネクテッドTV」って?海外&国内のコネクテッドTV事情をご紹介

2021.10.19

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この記事の著者

田中 洸子

お茶の水女子大学卒。オフライン中心の広告代理店から、2019年にアイレップに入社。メディアプランナーとして、幅広い業種の企業に対して認知~獲得施策のプランニング・提案を行う。

一番好きなラジオは『高橋みなみと朝井リョウ ヨブンのこと』ですが、2021年3月で終了することになってしまいました。

お茶の水女子大学卒。オフライン中心の広告代理店から、2019...

最近「コネクテッドTV」という言葉をよく耳にしますが、実際どのくらい普及しているのでしょうか?そして生活者はコネクテッドTVで何を観ているのでしょうか?本記事では、いつの間にか私たちの生活に入り込んでいたコネクテッドTVの実態に迫ります。

コネクテッドTVとは

概要

コネクテッドTVとは、インターネット回線に接続可能なTVデバイスのことです。

テレビをインターネットに接続する方法はひとつではありません。OSを搭載したスマートテレビを購入するのが最もシンプルですが、他にもインターネット接続可能なブルーレイ再生機器やゲーム機を介す方法、GoogleのChromecastやAmazonのFire TV Stickといったストリーミングデバイスを利用する方法があります。コネクテッドTV所有者のうち約半数はブルーレイ再生機器を介してインターネットに接続しています※1

※1 参照元:Unruly、2020年11月11日、 「コロナ状況下における消費者のコネクテッドTV視聴や広告に対する態度変容傾向を公開」

普及状況

海外

コネクテッドTVの普及は海外、とくにアメリカで進んでいます。基本的に無料でテレビ番組を視聴できる日本と異なり、アメリカでテレビ番組を観るには有料のケーブルテレビを契約し料金を支払う必要があります。

アメリカのテレビ市場に変化が起きたのは2007年、Netflixが動画配信サービスを開始してからだと言われています。Netflixを契約する代わりにケーブルテレビを解約する人が続出したことから、Netflixは「コードカッター」と呼ばれました。Netflixをはじめとする動画配信サービスの伸長も手伝って、アメリカではコネクテッドTVが急速に普及していきました。

国内

日本ではアメリカと異なり基本的に無料でテレビ番組を視聴できるため、有料の動画配信サービスに対して抵抗を感じる人も多いです。しかし、日本でもアメリカから数年遅れではありますが着実に動画配信サービス、コネクテッドTVが広まっています。

2015年にNetflix、Amazonプライムビデオが日本での動画配信サービスを開始、さらに2020年以降のおうち時間の増加も手伝って、コネクテッドTV所有者はここ数年で急激に増加。いまでは日本のテレビ視聴者の約7割がコネクテッドTVを所有しており、身近な存在となりました。

参照:Unruly、2020年11月11日、「コロナ状況下における消費者のコネクテッドTV視聴や広告に対する態度変容傾向を公開」をもとに筆者が作成

(図1:コネクテッドTV視聴用デバイス保有率)

生活者はコネクテッドTVで何を観ているのか?

従来のテレビ視聴に加えて、動画配信サービスが伸長

コネクテッドTVはあくまでもデバイス、端末のこと、つまり映像を観る手段の話です。コネクテッドTVが広く普及した現在ですが、生活者はどんな映像・動画コンテンツを楽しんでいるのでしょうか?

インプレス総合研究所が実施した2021年4月の調査によると、普段よく視聴する映像・動画は「リアルタイムのテレビ番組」が69.9%と最も高く、「録画したテレビ番組」が54.9%となっています。依然としてテレビ局のリニア放送の番組が人気であることが分かります。YouTubeなどの「動画共有サービス」が45.9%、TVerなどの「無料の動画配信サービス」が30.7%と続きます。

では伸び率はどうでしょうか?2年前と比較してみると、リアルタイムのテレビ視聴は68.3%→69.9%とほぼ横ばいです。一方、動画共有サービスは約22%伸長(37.6%→45.9%)、無料の動画配信サービスは約18%伸長(25.8%→30.7%)、有料の動画配信サービスは約60%伸長(16.0%→25.6%)と、動画共有サービス、配信サービスの利用がここ数年で急速に伸び、テレビを追い上げていることが分かります。従来、動画コンテンツを楽しむ選択肢は「今やっている番組・もしくは録画した番組を観る」というものだけでしたが、YouTube、Netflix、Amazonプライムビデオやその他配信サービスの台頭により選択肢が多様化しています。

参照:インプレス総合研究所、2021年5月20日、「動画配信ビジネス調査報告書2021」をもとに筆者が作成

(図2:良く視聴する映像・動画の種類(複数回答)2019年→2021年)

このように勢いのある動画配信サービスですが、これらは広告の世界ではOTT(Over the Top)と呼ばれることが多いです。

動画配信サービス、OTT

OTTとは、インターネット回線を通じて提供されるコンテンツのことを指します。広義ではSNSやSpotifyなども含みますが、広告業界では動画コンテンツに絞ってOTTと呼ぶことが多いです。本記事でもOTTを「インターネット回線を通じて配信される動画コンテンツ」と定義して話を進めていきます。OTTは具体的にはYouTube、Netflix、Amazonプライムビデオ、TVer、Abema、GYAO!などの動画共有&配信サービスを含んでおり、一般にVODと呼ばれるサービス群と共通します。

コネクテッドTVで視聴されるOTT

OTTはコネクテッドTV以外のデバイス、スマホやPCでも視聴可能です。どの程度コネクテッドTVで観られているのでしょうか?

Netflixは約7割がテレビスクリーンで観られており、映画やドラマなどのコンテンツを大きい画面で観たいと考える人が多いことがうかがえます※2。株式会社TVerの発表によると、TVerのコネクテッドTVでの視聴は2021年2月時点で22.7%ですが、一年間で7.5%から22.7%と急速に増加しました※3。スマホやPCで視聴されるイメージの強いYouTubeも、2021年3月時点で日本で月間2,000万人以上がテレビ画面でYouTubeを視聴していると発表しています※4。YouTubeの利用者が月間約6,500万人であることを考えると、おおよそ3人に1人がYouTubeをコネクテッドTVで観ていると言えます。

※2 参照元:Vox、2018年3月7日、「Netflix data: 70 percent of viewing happens on TVs
※3 参照元:TVer、2021年4月13日、「TVer広告において、コネクテッドTVの本格展開スタート CTV広告効果について、インテージ・青山学院大学と共同研究開始 〜連携第一弾として、インテージとCTV調査スキームを共同リリース〜
※4 参照元:Think with Google、2021年7月9日、「『テレビでYouTube』が月間2,000万人に急成長中

 

(図3:OTTサービスのテレビスクリーンでの視聴割合)

各サービスの特性によって数字にばらつきはあるものの、コネクテッドTVでOTTを観るという習慣は急速に身近になってきています。

コネクテッドTVにおける広告

コネクテッドTVで広告を出すにはOTTがおすすめ

従来、テレビスクリーンに広告を出したい場合にはテレビCM一択でした。しかし、コネクテッドTVとOTTの普及によって、テレビスクリーンへの広告配信にOTT広告やYouTube広告という新たな選択肢が出現しています。OTTの中でも、NetflixやAmazonプライムビデオなどは広告枠を設けていません。そのためOTT広告は主にTVer、Abema、GYAO!、DAZNにおける広告を指します。

OTT広告は、テレビCMと比べて柔軟にターゲティング・運用できることが大きな強みです。基本的にスキップできない仕様であることが多く、プロの作った番組の間に広告が放映されるため、テレビCM並みに良い視聴環境で広告を観てもらうことが可能になります。OTT広告は基本的にOTTが視聴者に無料でコンテンツを提供する代わりに広告を入れており、視聴者もそのことを理解しているため、広告への嫌悪感、違和感が少なく受け入れられやすいことも特徴です。

OTT広告の伸長

OTT広告市場は、コネクテッドTV、OTTの普及とともに急速に成長しています。日本よりも数年早く波が来ているアメリカでは、OTT広告市場は2023年までには1兆4,700億円規模に達するだろう予測されています。日本のOTT広告市場も2024年には558億円規模になると見込まれています※5

※5 参照元:SMN、2020年10月22日、「SMN、国内コネクテッドテレビ広告市場調査を実施~2020年の市場規模は102億円の見通し、2024年には、558億円規模と予測~

OTT広告はYouTube広告と同様、動画コンテンツの間に広告が放映されるインストリーム型の動画広告です。インストリーム型の動画広告市場は2024年には3,180億円に達すると見込まれています。予測通りに市場が成長した場合、インストリーム型動画広告市場に占めるOTT広告の割合は2020年には約6%でしたが2024年には約18%になる見込みです。つまり、OTT広告市場は動画広告市場全体の成長率を上回る急速な発展を遂げることが期待されているのです※6

※6 参照元:
Screens、2021年1月13日、「OTT利用実態調査から読み解く、コネクテッドTVの普及とデジタル動画とテレビの今後〜『CCI BROADCASTING FORUM」レポート』
dentsu、2021年3月10日、「2020年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析
ExchangeWire、20220年12月18日、「サイバーエージェントが語る、コロナ禍の動画広告市場と2021年に向けた取り組み[インタビュー]

まとめ

おうち時間の増加もありコネクテッドTVユーザーは海外でも国内でも急速に増加しています。コネクテッドTVは広告の配信面として有力な選択肢のひとつと言えるでしょう。生活者はコネクテッドTVでYouTubeやOTTを楽しんでいます。OTTにおける広告は無料でコンテンツを視聴できることと引き換えに好意的に受け入れられており、OTT広告市場は今後も拡大していくと考えられます。

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