MUMの検索での活用予定とは?Search On '21で予告された新機能をSEO担当者向けに解説

2021.10.22

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この記事の著者

増渕 佑美

2014年に株式会社アイレップに入社し、SEOコンサルタントとして従事。ソリューションビジネスUnitインバウンドマーケティングDivに所属。通販や人材などデータベース型サイトを中心に経験を積んでおり、現在はメディアサイトのSEOも担当し幅を広げている。
好きなこと:散歩、パズル、動物の動画をみること

2014年に株式会社アイレップに入社し、SEOコンサルタント...

2021年9月29日に、GoogleがAIなどの新技術について発表するイベントの「Search On '21」が開催されました。本記事では、自然言語処理の新技術「MUM(Multitask Unified Model)」の検索での活用予定と、SEO担当者が知っておくべきことを紹介します。

MUM(Multitask Unified Model)とは

MUM(Multitask Unified Model)とは、2021年5月に実施されたGoogle I/Oで発表された自然言語処理の新技術です。以下の4点が強みとして紹介されています。

・世界のあらゆる知識をインプットできる
・言語を理解し、生成できる
・一度に75の言語でトレーニングできる(多くのAIモデルは一度にひとつの言語のみ)
・マルチモーダルである(テキストや画像、ビデオなどさまざまな形式の情報を扱える)

Search On '21ではMUMにできることとして、ライオンの例が紹介されました。MUMはライオンに関する「文字による説明」「画像」「音声(鳴き声)」「動画」のような形式の異なるこれらの情報を関連付けたうえで理解することができると紹介されました。

参照元:Search On '21(開始位置 9:14)

(図1:ライオンの例を用いて、MUMは形式の異なる情報を関連付けて理解できることが紹介されている様子)

MUMは、あらゆる概念やトピック、世の中の暗黙のつながりなども理解できるとのことです。MUMの検索での活用は、うまく質問できない、あるいはまだ尋ねられていない質問に対して高品質な回答を提供することがひとつの目的となっています。次の章から具体的な活用方法についてご紹介します。

発表された新機能1:視覚的に検索する新しい方法

MUMの検索での活用方法のひとつとして、画像とテキストをひとつのクエリに結合するマルチモーダルな検索機能が発表されました。Googleの発表では、以下のような例が紹介されています。

言葉だけでは説明が難しい柄の商品検索

洋服の柄など、言葉で表現するのが難しい事柄に対して、Google レンズで見たものを検索できるようになります。発表された例では、シャツの柄と同じ柄の靴下を検索するデモンストレーションが紹介されました。

検索したい柄にGoogle レンズをかざし、実際に欲しいものについて(今回の例では「socks with this pattern(この柄の靴下)」)と入力します。すると、その柄の靴下が複数表示され、検索者は欲しい商品を比較検討することができます。

参照元:How AI is making information more useful

(図2:言葉だけでは説明が難しい商品について、画像とテキストを組み合わせて検索する様子)

名前を知らない自転車のパーツを修理する方法の検索

前述の例は買い物を意識した検索でしたが、情報を求める検索にも活用できます。自転車に不具合がある時に、何かがおかしいけれど状況を言葉で説明できないケースがあります。こういった場合の修理方法を検索する例が紹介されました。

故障していると思われる自転車の箇所にGoogle レンズをかざし、知りたいこと(今回の例では「how to fix(修理方法)」)を入力します。すると、動画を含め修理方法の検索結果が表示されます。

参照元:How AI is making information more useful

(図3:名前を知らない自転車のパーツを修理する方法について、画像とテキストを組み合わせて検索する様子)

これにより、検索者は言葉にしにくい事柄も画像を含めて検索することができるようになります。今後数ヶ月以内に公開を予定しているとされていますが、日本での展開については触れられていません。

発表された新機能2:検索結果における3つの新機能

MUMを活用して再設計された検索結果ページとして、新たな機能が3つ紹介されました。

検索結果に「Things to know(知っておくべきこと)」枠が新たに設置される

この枠には、MUMにより選定された検索キーワードについて知っておくべきトピックが複数表示されます。「Acrylic painting(アクリル画)」の検索結果の例では、下記のような関連トピックが表示されます。

・Step by step(初心者向けの段階的な始め方)
・Styles(アクリル画の様式)
・Using household items(家庭用品を使ったアクリル画の作り方)
・Tips(初心者向けの助言)
・How to clean (絵具の掃除方法)

参照元:How AI is making information more useful

(図4:「Acrylic painting(アクリル画)」の検索結果で「Things to know(知っておくべきこと)」枠が表示されるイメージ)

Googleは、検索キーワード(トピック)に対する、人々の一般的な検索内容や初期に閲覧する情報などから関連するトピックをMUMにより特定し、「Things to know(知っておくべきこと)」枠に表示するようになるとのことです。これにより、検索者は自身が想定していなかったトピックを知ることができ、接点がなかったであろうWeb上のコンテンツと接触する機会が増えると推測されます。この機能は、今後数ヶ月以内にリリースされる予定と発表されていますが、日本での展開については触れられていません。

検索するトピックを絞り込んだり拡張したりする新機能を導入予定

「Refine this search(この検索を絞り込む)」と「Broaden this search(この検索を広げる)」枠が新たに設置されます。「Acrylic painting」の検索結果の例では、「Refine this search」枠には、下記のようなキーワードが表示されます。

・「Acrylic painting ideas(アクリル画のアイデア)」
・「Acrylic painting techniques(アクリル画のテクニック)」

また、「Broaden this search」枠には、下記のようなキーワードが表示されます。

・「Styles of painting(絵画の様式)」
・「Famous painters(有名な画家)」

参照元:How AI is making information more useful

(図5:「Acrylic painting(アクリル画)」の検索結果で「Refine this search」枠と「Broaden this search」枠が表示されるイメージ)

この機能は、今後数ヶ月以内にリリースされる予定と発表されていますが、日本での展開については触れられていません。

より簡単に視覚的なインスピレーションを得られる新デザインの検索結果ページ

スクロールするだけで、記事や画像、動画に含まれる視覚的なアイデアを閲覧できる新デザインの検索結果ページがリリースされています。「Halloween decorating ideas(ハロウィンの装飾アイデア)」、「indoor vertical garden ideas(屋内のvertical gardenアイデア)」等の検索結果で確認できます。この形式の検索結果ページは無限スクロールが採用しており、スクロールしていくことで次々と視覚的なアイデアが閲覧できるようになっています。

(図6:「Halloween decorating ideas」の検索結果)※2021/10/11時点

この機能は米国では既にリリースされていますが、日本での展開については触れられていません。

発表された新機能3:動画閲覧時の関連トピック表示機能

MUMを使用すると、動画内の情報を深く理解して、動画で明示的に言及されていない関連トピックも表示することができるそうです。例えば、「macaroni penguin(マカロニペンギン)」と検索して検索結果に表示された特定の動画を閲覧しているとします。この閲覧中の動画には「macaroni penguin’s life story(マカロニペンギンの生涯)」という言葉は動画内にも説明にもありません。しかしMUMは、動画内のシーン(空腹のアザラシから逃げる、他の何百ものペンギンから家族を見つける、など)から、この動画が「マカロニペンギンの生涯」について扱っていると理解します。これにより、関連するトピックを表示できるそうです。

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参照元:How AI is making information more useful

(図7:動画視聴時に関連トピックが表示されるイメージ)

ユーザーは動画を見ながら気になった関連するトピックをタップすることで、よりそのトピックについての理解を深めることができるようになります。この機能の最初のバージョンは、今後数週間で公開され、今後数ヶ月でさらに視覚的な機能強化が予定されているそうです。こちらも日本での展開については触れられていません。

SEO担当者が知っておくべきこと

現時点で、これらの機能のためにWebサイト側で何か特別な対応をする必要はないと考えられます。SEO担当者は検索者が求める情報をわかりやすくWeb上で公開し、Googleがクロール・インデックスできるようにしておく必要がありますが、これは日々のWebサイト運営の方針と変わらないはずだからです。一方で、新たな検索エクスペリエンスを把握しておくことは重要です。通販サイトであればGoogle レンズ経由で表示される商品の表示形式を、動画を扱うWebサイトであれば関連トピックの表示形式を確認しておくと良いでしょう。

まとめ

今回発表された機能は、いずれも検索者が「検索しにくい(検索キーワードを考えるのが難しい)トピック」や「潜在的に求めるトピック」にたどり着きやすくするためのものと言えます。これらの機能がリリースされると、検索者にとってはより体系的な情報収集がしやすくなると推測されます。MUMにより、GoogleはWebに公開されている情報の理解をこれまで以上に深めているため、今までGoogleにうまく理解されていなかったWebサイトが新たなユーザーと接点を持てるかもしれません。

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