2022年使いこなしたいGoogleプロダクト、P-maxを徹底解説

2022.01.25

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2021年年末にフルローンチしたGoogleの新プロダクト、P-max。Googleのあらゆる広告枠に掲出し、コンバージョンや売り上げを最大化するプロダクトとして注目を集めています。すでに全ての広告アカウントで活用できるようになっており、日本でもじわじわと活用事例が増えてきています。本記事では、P-maxの基本的な仕様や既存プロダクトとの使い分け、レポーティング方法、配信Tipsを解説します。

P-maxとは

Googleの広告枠をフル活用し、広告成果を最大化する

P-maxの頭文字である“P”はPerformanceから取られています。その名の通り、パフォーマンス(広告成果)を最大化するプロダクトです。Google広告から掲出できる広告枠すべて(YouTube、ディスプレイ、検索、Discover、Gmail、マップ)に広告掲出することができます。

今までのGoogle広告は、広告枠ごとにキャンペーンが分離していました。予算管理やレポーティングを細かく確認できるメリットがある一方で、各キャンペーンの面が拡張しあい、機能面で重複する・コンバージョン獲得のための学習データが分散するデメリットもありました。Google プロダクトのメリットをより分かりやすく、最大限に活かす方法を明確にすることを目指し、シンプルにパフォーマンスを最大化するべく開発されたのがP-maxです。

ヘルプ:「Google の多彩な広告枠をフル活用できる P-MAX で目標を達成する」、Google広告ヘルプ

P-maxを理解する3つのポイント

P-maxを理解するために3つのポイントに分けてご紹介します。

(図1:P-maxを理解する3つのポイント)

(1)入札
管理画面で設定したコンバージョンアクション獲得に向けて、3種類の自動入札で最適化されます。GoogleAdsのタグだけでなく、Google アナリティクスのデータも活用できます。

(図2:現在活用できる自動入札)

(2)クリエイティブ
全ての広告枠に掲出するために、検索広告・ディスプレイ広告・動画広告すべてのアセットを入稿することができます。可能な限りクリエイティブを多く入稿することで、より最適なメッセージを掲出できるようになります。

(3)ターゲティング
コンバージョン獲得が見込まれるユーザーを自動で見つけるプロダクトではありますが、より優先的にコンバージョン獲得を目指したい・自動入札に学習させたいユーザーセグメントをシグナルとして指定することができます。

(図3:ターゲティング)

既存プロダクトとの使い分け

P-maxを活用することで、今までのキャンペーンと掲載面や入札方式の重複が生じます。
現時点での推奨は既存キャンペーンとの併用です。既存キャンペーンでは獲得しきれないコンバージョンをP-maxで取りこぼさず獲得する、という活用が望ましいです。

その際、P-maxと既存キャンペーンのオークション競合が危惧されますが、複数アカウントでのオークション競合を防ぐ方法もあります。

レポーティング方法

P-maxは既存キャンペーンのコンバージョン数と合算し、前後比較を実施し、増分コンバージョン数でレポーティングすることを推奨します。オークション競合を防ぐ設定をしていたとしても、配信面が重複しているため、既存キャンペーンで獲得するコンバージョンが減少する可能性があるためです。期間全体でコンバージョンが増加しているかを確認しましょう。

P-maxへの追加投資の許容値計算や、効率の計算については以下の記事もご参照ください。

 

(図4:レポーティング方法)

加えて、季節トレンドや他プロモーションや競合状況の変化など、外部要因を除外するためにコントロール期間を設けて前後比検証することを推奨します。

(図5:前後比較)

配信Tips

キャンペーンの配信成果を最大限発揮するためのTipsをいくつか紹介します。

(1)学習期間中に日予算にあたらないよう、十分な配信量を担保する
配信初動は自動入札の学習を制限せず、様々な配信面・ターゲティング・クリエイティブ掲出をトライアルさせることが重要です。時間帯別レポートを確認しながら、すべての時間帯に十分掲出できているか確認しましょう。日予算に当たっている場合は予算追加をおこなってください。

(図6:時間帯別レポートを確認する)

(2)アセットはできる限り推奨本数分用意して入稿する。広告表示オプションも忘れずに
アセットは以下の推奨本数を入稿することで、さまざまなメッセージの組み合わせがトライアルされ、最適な広告文が掲出されます。また、広告品質の向上やCTR上昇を期待できるため、広告表示オプションも入稿しましょう。より多くのオーディエンスのニーズに応えられるように複数の訴求をアセットとして用意することがポイントです。

(図7:広告アセットと広告表示オプション)

(3)関連度の高いオーディエンスをシグナルとして使用する
機械学習は、より多くの参考データを与えることで働きを強化します。シグナルとしてリマーケティングリスト、カスタムインテント、カスタマーマッチを紐づけることで、学習の早期終了が見込めます。

Google広告管理画面より、コンバージョンしているユーザーがどんなオーディエンスに
分類されるか確認可能ですので、関連性の高いユーザーセグメントを紐づけましょう。

ヘルプ:「Google 広告のオーディエンスの分析情報について」、Google広告ヘルプ

まとめ

P-maxを正しく活用することで、既存の広告配信では獲得できていないコンバージョンを獲得できる可能性があります。配信Tipsなどを生かし、是非P-max配信にチャレンジしてみてください。

アイレップは既存の広告配信の改善や、P-maxなどの新プロダクトの積極導入もご提案しております。成果改善で伸び悩んでいる企業様でも、ぜひお気軽にお問い合わせください

この記事の著者

浅田 実季

2017年にアイレップへ入社。入社時からメディア担当として媒体社へ常駐し、業種や領域を横断してプロダクト理解に長けている。2018年より獲得領域の運用やTVCMとデジタルを横断した戦略プランニング、効果計測立案に従事。

▼最近の趣味
人から勧められた本を片っ端から読む、業務後に華道に通う、観葉植物を順調に育てる

2017年にアイレップへ入社。入社時からメディア担当として媒...

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