今後Criteoはどう変わる?リブランディングの概要とフルファネルソリューションを徹底解説

2022.03.30

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精度の高いダイナミックリターゲティングに定評のあるCriteoが、2021年6月にリブランディングを実施。独自のコマースデータを基盤とした、コマースメディアプラットフォームとして生まれ変わり、目的に沿った柔軟なユーザー・メニュー選定が可能となります。この記事では、Criteoリブランディングの概要と、Cookieレスプロダクトを含むフルファネルソリューションのラインナップについて紹介します。

Criteoのリブランディング概要

2011年の日本法人設立より、ダイナミックリターゲティングの筆頭媒体としてクライアント企業の課題解決に有効なソリューションを提供してきたCriteo。リターゲティングの特性上、獲得施策との相性が良いプラットフォームであることは明白です。それに加え、近年Criteoではミドル~アッパーファネル向けソリューションの展開を進めており、獲得施策だけでなくフルファネルのキャンペーン目的に活用可能なプラットフォームへと進化しています。

ロゴ・タグラインのリニューアル

CRITEO株式会社は2021年6月、プラットフォームのリブランディングによるブランドアイデンティティの刷新を発表しました。主な変更点は以下の2点です。

①新ロゴへの変更
②新タグライン「The Future is Wide Open」

「新たな商品との出会い、イノベーションの実現、より豊富な選択肢を可能にする、公正でオープンなインターネットを支持し、すべての人により良い体験を提供する」というコミットメントに基づいたリブランディングとなっており、ダイナミックリターゲティングだけでない、新しく生まれ変わったCriteoを象徴しています。

コマースメディアプラットフォーム

前述の通り、従来のCriteoはリターゲティング広告(=パフォーマンス広告)に主軸を置いていましたが、近年では「コマースメディアプラットフォーム」という新たなプラットフォームの在り方を提言しています。コマースメディアプラットフォームとは、コマースデータ(取引データや顧客の行動データなど)をターゲティング精度向上や配信最適化に活用する基盤の整ったプラットフォームを意味しており、コマースデータの質・量が広告プラットフォームとしての品質を左右します。グローバルで約40億の商品の売上データ・6億5,000万のDAUを保有するCriteoだからこそ、常に最新のビッグデータを広告成果に還元できるという強みがあります。

Criteoの特徴と変わらない強み

成果を支えるCriteoエンジンアルゴリズム

以上のようにデジタル広告のプラットフォームとして進化を続けるCriteoですが、リブランディング後も変わらず強みとして挙げられる大きな特徴があります。それはCriteoのAIエンジンアルゴリズムです。Criteoエンジンは以下の3要素によって構成されています。

・予測入札エンジン   :どのユーザー広告枠に配信すべきか
・レコメンドエンジン  :どの商品をレコメンドすべきか
・クリエイティブエンジン:どのようなバナーデザインにすべきか

2014年にリリースされたCOエンジン(CVR最適化の手動入札エンジン)から始まり、KPI・入札方法(手動入札・自動入札)ごとの各種エンジンを順次リリースしています。キャンペーン目的に沿ったエンジンを選択することで、確度の高いユーザーに配信できるだけでなく、どの商品をどのようなフォーマットのバナーで配信するべきかを最適化可能ということです。

ファッションECサイトにおける配信を例にとると、実際にユーザーが閲覧した商品のほかにどのような商品をレコメンドすると良いかはある程度想像することができます。同じブランドや同じカテゴリ、価格帯の商品を並べることでユーザーの興味を引き、クリック率向上につながるでしょう。

しかし、帽子を購入するユーザーはどのような配信面・配信枠において反応が良いのか、どのようなクリエイティブ要素の組み合わせが良いのかといったことは、アカウント個別の配信実績からは分析が難しい範囲になります。Criteoエンジンでは、グローバルで1秒に4万件以上という膨大な広告リクエストを処理して学習を進めており、バナーデザインや配信枠についても最適化することができます。

コマースデータとファーストパーティ・メディアネットワーク

そんなCriteoエンジンの学習の礎といっても過言でないのが、グローバル規模のコマースデータセットです。この独自のデータセットはCriteoショッパーグラフと呼ばれ、多様なデータがリアルタイムに収集・分析され、広告配信へ活用されています。さらに、広告主・媒体社が提供するファーストパーティデータとCriteoが保有するサードパーティーデータをつなぐ「ファーストパーティ・メディアネットワーク」を構築しています。今後Cookie規制によりデジタルマーケティングは大きな変革期を迎えますが、ユーザープライバシーを保護しつつクロスドメインで柔軟なターゲティングを叶えることができます。

また、The Trade Deskが牽引するUnified ID 2.0のようなファーストパーティデータで運用するCookie代替のIDソリューション開発にも積極的に参画しており、よりシームレスなデータ活用を目指しています。

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(図1:Criteoのファーストパーティ・メディアネットワーク Criteo社提供資料より)

進化するCriteo

フルファネルソリューションの拡充

前章でも述べましたが、CriteoソリューションはAIエンジンの進化とともに拡充されてきました。リリース当初はキャンペーン目的別の獲得向けエンジン開発が主でしたが、近年は訪問最適化や視聴完了最適化などのミドル~アッパーファネル向けキャンペーンに対応可能なエンジンもリリースされています。精度の高いAIエンジンとCriteo独自のコマースデータを基にしたオーディエンスにより、フルファネルでの配信が可能となり、「リターゲティングだけでないCriteo」というリブランディングを成し遂げています。

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(図2:Criteoのフルファネルソリューション Criteo社提供資料より)

注目プロダクトの紹介

新ソリューションだけでなく、既存キャンペーンであるConsideration(新規ユーザー向け訪問最適化)にもアップデートがありました。

図2にあるように、ミドルファネル向けの訪問最適化プロダクトのラインナップが拡充したことにより、旧Considerationキャンペーンは「Criteoトラフィックジェネレーション」と名称を変更しました。今後Considerationはミドルファネル向けプロダクト全体を指す名称となり、オムニチャネルやコンテクスチュアルなど多彩なラインナップの中からキャンペーンを選択できるようになります。

また、動画広告やオムニチャネル等のキャンペーンにおいてはクリエイティブフォーマットと掛け合わせて配信設計することを推奨します。Criteoクリエイティブソリューションは17兆通りという圧倒的な要素の組み合わせから成っており、さらに動画と静止画バナー・通常ダイナミックバナーを組み合わせた形式でも配信可能という自由度の高さが強みです。ブランディングメッセージを動画や静止画で伝えながら、個別商品を動的に組み合わせるといった魅力的なクリエイティブで注目を集めることができます。

まとめ

Criteoは2021年6月にリブランディングをおこない、独自のグローバルデータを基盤としたコマースメディアプラットフォームとして生まれ変わりました。従来のようなダイナミックリターゲティング広告での獲得施策だけでなく、自由度の高いクリエイティブフォーマットを武器にした、ミドル~アッパー向けキャンペーンにも活用可能です。新プロダクトの配信開始、クリエイティブフォーマットの追加などPDCAの切り口は様々なので、KPIやプロモーション内容に沿ってトライアルをしてみてはいかがでしょうか。

新ソリューションのトライアルやクリエイティブ最適化についてご質問、ご相談があれば、当社にお問い合わせください。

この記事の著者

小見山 智衣

2019年アイレップ入社。メディアプランナーとして担当のYahoo! JAPAN/Criteoを中心に、純広告からダイナミック広告まで幅広いメニューのプランニングに携わる。
2020年よりパフォーマンスメディアUnitのタグ&フィードチーム兼務。

趣味:最近ハープを習い始めました。ディズニー音楽の弾き語りが夢です。

2019年アイレップ入社。メディアプランナーとして担当のYa...

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