GA4のアトリビューション機能を徹底解説!【GA4講座】

2022.05.13

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2022年3月16日、Google Inc. はヘルプサイト内で、Google アナリティクスのユニバーサル アナリティクス プロパティのデータ計測が2023年7月1日に停止されることを発表しました。これまで、Google アナリティクスを利用してマーケティング施策のアトリビューション評価をおこな行ってきた場合、新世代のGoogle アナリティクスであるGA4に移行した際にはどうすればよいのでしょうか。本記事では、GA4 プロパティで利用できるアトリビューション関連の機能について説明します。

アトリビューションとは

アトリビューションとは、コンバージョンに対してあるチャネルがどれだけ貢献したかを示す値です。アトリビューションモデルは、その貢献度を算出するためのモデルを指します。何も設定していない状態では、コンバージョンが発生した訪問の流入チャネルに100%の貢献度が割り当てられますが、アトリビューションモデルによっては、複数チャネルを利用してコンバージョンした場合の初回や中間に利用された流入チャネルにも貢献度を割り当てます。GA4で利用できるアトリビューションモデルは7つあります。個々のモデルの詳細についてはGoogle公式ヘルプの以下のページからご確認ください。

参照:https://support.google.com/analytics/answer/10596866?hl=ja

※最後の訪問がノーリファラ―の場合は最後からひとつ前の訪問の流入チャネルに貢献度が割り当てられます

GA4で利用できるアトリビューション機能

GA4で利用できるアトリビューションの機能はみっつあります。ひとつ目は、プロパティ全体のアトリビューション設定、ふたつ目はモデル比較レポート作成機能、みっつ目はコンバージョン経路レポートの作成機能です。これからそれぞれの機能について解説していきます。

プロパティ全体のアトリビューション設定

GA4で利用できるアトリビューション機能のひとつ目はプロパティ全体のアトリビューション設定です。編集権限をもつアカウントであれば、通常レポートのアトリビューション設定を指定することができます。この設定はプロパティ全体のレポートに影響し、チャネル別のコンバージョン数が、設定したアトリビューションモデルやルックバック ウィンドウに沿って算出されます。ユニバーサル アナリティクスで設定をしていた場合は、同様の設定にする必要があります。

各設定項目について、以下で説明します。

①レポート用アトリビューション モデル
GA4 プロパティの管理設定画面から「レポート用のアトリビューションモデル」を設定すると、設定したアトリビューションモデルに基づいてレポート上のコンバージョン数、総収益、購入による収益、広告収入合計の指標が変化します。これは、過去データおよび設定後の計測データに適用されます。対象となるのは、プロパティ内のイベントスコープのディメンションと紐づくコンバージョンレポートおよびデータ探索のレポートとなります。

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(図1:レポート用のアトリビューションモデル設定画面)

②ユーザー獲得コンバージョンのルックバック ウィンドウ
コンバージョンは、ユーザーがある経路でWebサイトと接点をもってから、数日や数ヶ月の期間が経過してから発生する場合があります。ルックバック ウィンドウは、アトリビューションによって貢献度を算出する際、コンバージョンした日からユーザーのデータをどこまで遡るかを設定します。ルックバック ウィンドウが30日間であれば、コンバージョンが発生した日を含む、コンバージョンまでの30日間の経路データが利用されます。ユーザー獲得コンバージョンイベント(first_openやfirst_visit)の場合、デフォルトのルックバック ウィンドウは30日となっており、必要に応じて7日間に切り替えられます。

③その他すべてのコンバージョンのルックバック ウィンドウ
ユーザー獲得コンバージョンイベント以外のコンバージョンイベントでは、デフォルトのルックバック ウィンドウは90日です。設定画面から30日または60日を選択することもできます。

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(図2:ルックバック ウィンドウ設定画面)

モデル比較レポート

アトリビューション機能のふたつ目はモデル比較レポートです。これは、アトリビューション モデルごとのチャネル評価ができるレポートです。このレポートでは、日常的に利用しているアトリビューション モデルの成果と比較する形で、他のモデルで算出した成果を確認することができます。プロパティ全体のアトリビューション設定で普段把握している数値だけではチャネルを評価しきれない場合に、異なるアトリビューション モデルを利用することで異なる観点でチャネルの貢献度を可視化することができます。

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(図3:モデル比較レポート画面)

コンバージョン経路レポート

アトリビューション機能のみっつ目はコンバージョン経路レポートです。このレポートを利用すると、ユーザーがコンバージョンに至った経路の把握、あるモデルを指定したときの経路ごとのアトリビューション評価の割り振りを把握できます。絞り込み条件を指定しながら、どのようなチャネルの組み合わせでのコンバージョンが多いかを把握できます。間接的な貢献を期待した施策が仮説通りに機能したか、どのようなチャネルの組み合わせでコンバージョンに至っているかを確認することができます。

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(図4:コンバージョン経路レポート画面)

まとめ

GA4のアトリビューション関連機能を利用することで、実施した施策の成果貢献度を様々な角度から把握し、新たな施策につなげることができます。GA4の機能や、アトリビューション機能を利用したレポートについてお悩みがある際には、お気軽にお問い合わせください。

▼関連資料

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この記事の著者

島田 拓来

2015年アイレップへ入社。専門領域はGoogle アナリティクス、tableau®設計構築。SEO領域のディレクター業務を経てアナリストに。Google アナリティクス、Adobe アナリティクスのデータ活用のほか、ダッシュボード構築のプロジェクトが得意。

趣味:料理、料理動画を見ること

2015年アイレップへ入社。専門領域はGoogle アナリテ...

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