GA4のデータドリブン アトリビューション(DDA)を解説!UAとの違いは?【GA4講座】

2022.07.21

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本記事では、GA4 プロパティのデータドリブン アトリビューション(DDA)について解説します。データドリブン アトリビューションは、チャネルの成果貢献度を計算し、重みづけした評価をレポートに表示します。GA4とのツール連携により広告施策にも利用できるため、複数メディアでマーケティング施策を実施している場合、成果貢献度に応じた運用最適化が簡単にできるようになります。

アトリビューション評価の必要性

インターネットを利用するユーザーは、Webサイトと初めて接点を持ったときから、複数のマーケティングチャネルを通してWebサイトに接触し、最終的に商品の購入や資料請求といったアクションを起こすことがあります。ユーザーがWebサイトと初めて接点を持った広告や、初めての訪問でアクションを起こしたのであれば、利用されたチャネルにすべての評価を割り当てればよいですが、複数のチャネルを利用してWebサイトに接触しコンバージョンに至った場合には、どのチャネルにどれだけの評価を振り分けるか、振り分け方を考える必要があります。

ユーザーがさまざまなチャネルを利用している中で、コンバージョンに貢献したチャネルを適切に評価することができれば、マーケティング成果をさらに高める施策判断ができるようになります。アトリビューション モデルとは、このようにユーザーがWebサイトに接触するときに利用したチャネルに対して貢献度を割り振るルールを指します。

77306603553_1-1(図1:コンバージョンに貢献したチャネルの評価)

データドリブン アトリビューション(DDA)とは

データドリブン アトリビューション(DDA)とは、ユーザーのイベントデータをもとに、機械学習を利用して接点となったチャネルの貢献度を計算するモデルです。定期的に最新データでモデルがアップデートされるため、マーケティング施策によりユーザーの検討行動に変化が生じた際にも柔軟性を持った施策評価ができるようになります。

データドリブン アトリビューションの評価算出方法(詳細)

データドリブン アトリビューションの評価算出方法には、以下の2つの段階があります。

1.経路データを分析し、コンバージョンとなるイベントのコンバージョン率モデルを構築する
2.コンバージョン率モデルの予測値をアルゴリズムに入力して、コンバージョンに対する貢献度を接触した広告やチャネルに割り当てる

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(図2:アトリビューションモデル(DDA)の評価算出方法)

1.経路データに基づいてコンバージョン率モデルを構築する
データドリブン アトリビューションでは、ユーザーの経路データ(コンバージョンに至ったユーザーおよび至らなかったユーザーの両方のデータ)を利用して、マーケティングチャネルへの接触の有無およびそのタイミングがコンバージョンにどう影響するかを分析します。モデルが構築できたら、特定の広告やチャネルに接触したときの各タッチポイントでユーザーがコンバージョンに至る見込みを算出します。

2.アルゴリズムによってマーケティングのタッチポイントにコンバージョンに対する貢献度を割り当てる
データドリブン アトリビューションモデル(DDA)では、特定チャネルが接点として加わることによってコンバージョンの見込みがどのように変化するかを分析し、貢献度を割り当てます。アルゴリズムは、初めてWebサイトに接触したときからコンバージョンまでの期間、広告フォーマット、その他クエリなどのデータを使用して貢献度を算出します。

参照:https://support.google.com/analytics/answer/10596866

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(図3:アトリビューションモデル(DDA)の貢献度割り当て)

GA4のデータドリブン アトリビューション(UAとの違い)

Google アナリティクスの新しいプロパティであるGA4では、データドリブン アトリビューションの扱いがUAプロパティから大きく変更されました。

UAプロパティでは、有償版であるGA360を契約しなければデータドリブン アトリビューションを利用できず、利用するためのデータ量の条件が設定されていました。それに対しGA4では、利用条件がなくなっただけではなく、デフォルトでコンバージョンがデータドリブン アトリビューションで算出されるようになりました。これにより、UAと比較してGA4ではコンバージョンをアシストした施策が評価されやすくなります。

(図4:UAとGA4のデータドリブン アトリビューション比較)

データドリブン アトリビューションを配信に活かす方法

GA4ではデフォルトでコンバージョンがデータドリブン アトリビューションモデルで算出されます。デフォルト設定のままGoogle アナリティクスとGoogle 広告を連携することで、データドリブン アトリビューションモデルで算出したコンバージョンをGoogle 広告でも利用できるようになります。これにより、直接コンバージョンにつながりにくいYouTube広告やディスプレイ広告を評価し、複数の媒体メニューを組み合わせて配信を最適化することができるようになります。

まとめ

データドリブン アトリビューションを利用すると、データに基づいてコンバージョンに貢献した施策に評価が割り振られます。GA4ではデフォルトのアトリビューション モデルに設定されているため、追加で設定をする必要がありません。UAプロパティでの設定がラストタッチモデルを利用しており、それを引き継ぐ場合は変更が必要となります。GA4の実装、設定から施策への活用まで、課題やお悩みがある際にはお気軽に当社までお問い合わせください。

▼関連資料

Googleアナリティクス4プロパティのご紹介

この記事の著者

島田 拓来

2015年アイレップへ入社。専門領域はGoogle アナリティクス、tableau®設計構築。SEO領域のディレクター業務を経てアナリストに。Google アナリティクス、Adobe アナリティクスのデータ活用のほか、ダッシュボード構築のプロジェクトが得意。

趣味:料理、料理動画を見ること

2015年アイレップへ入社。専門領域はGoogle アナリテ...

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