コンテンツ制作は全体を見通した計画がカギ!進め方や方法を解説

2023.09.22

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コンテンツ制作では、効果的なコンテンツの作り方がわからない、作って終わりになってしまって結局効果があったかわからない、といったお悩みを聞くことが多いように思います。本記事では、コンテンツ制作でお悩みのマーケティング担当者向けに、進め方や方法を解説します。

コンテンツマーケティングとコンテンツ制作

コンテンツマーケティングとは、企業がターゲットとする人々にコンテンツを提供することで顧客とコミュニケーションをとり、購買や問い合わせにつなげていくマーケティング手法のひとつです。

コンテンツの種類は、記事や動画、ダウンロード資料、メールマガジンなど多岐にわたります。コンテンツマーケティングでは、部分的にコンテンツを作って終わりではなく、全体を見通したうえで顧客のステージ(課題顕在度)に応じて適切なコンテンツを提供できる状態を構築・運用することが重要です。

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(図1:課題顕在度に応じてさまざまなコンテンツを提供する例)

本記事では効果的なコンテンツ制作をおこなうために、前半ではコンテンツ制作の準備や計画のポイントを、後半ではコンテンツ制作のフローについて紹介します。

コンテンツを計画するときの4つのポイント

コンテンツを計画するときは、以下の4つのポイントを意識するとよいでしょう。"何となく作って終わり"になることを防ぐだけでなく、適切な計画はコンテンツの効果や効率性を高めることができます。

(1)目的の明確化と効果指標の策定

コンテンツの制作には目的があるはずです。大きな目的では、「認知拡大」「売上拡大」などが挙げられ、もう少し細かい粒度では「Webサイトへの集客」「顧客育成」「リード獲得」などが考えられます。

目的に応じて制作すべきコンテンツの種類や内容は大きく変わるため、まずは目的を明確化することが重要です。


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(図2:目的に応じて制作するコンテンツの種類が変わってくる例)

また、目的と目標数値は関係者全員で共有しておきましょう。定性的な目的の共有だけでもかまいませんが、数値化することにより、制作したコンテンツの効果を評価できるほか、思うような効果が出ていない場合に、課題を特定することで継続的な成果改善も見込むことができます。

コンテンツ制作における効果測定指標には、Webサイトへの流入数やエンゲージメント率、CV数などさまざまなものがあります。

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(図3:コンテンツ制作における効果測定指標の例)

コンテンツ制作では、公開直後に思うような期待効果が出なくても課題を分析し、導線や内容の一部を変えるだけで大きく成果がでるケースもあります。目的を明確化させ、効果指標を追っていくことで、公開後も継続的に改善することができ、"作って終わり"を防ぐことができます。

(2)対象の深堀

ターゲットとする対象者を深掘りし、ペルソナとカスタマージャーニーを設計します。

2-1 ペルソナ
自社のターゲットとなる人はどのような人で、どのような情報を求めているかを書きだしましょう。たとえばBtoBサイトの場合は、業務における課題や情報取得行動は非常に重要です。

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(図4:広告分析ツールの販売企業がターゲットであるEC企業のペルソナを作成した例)

ペルソナを作成したら、課題や情報行動を「潜在層」「準顕在層」「顕在層」の課題顕在度ごとに整理しておきます。

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(図5:図4で作成したペルソナの課題や情報行動を課題顕在度ごとに分類する例)

 

2-2 カスタマージャーニー
ペルソナを整理できたら、コンテンツごとの理想的な遷移導線を設計します。ターゲットのステージごとに、初めて接触するコンテンツが変わるため、それぞれが次のステージに移ってもらうための情報や導線を過不足なく用意できているかを確認してみてください。

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(図6:課題顕在度に応じたコンテンツ配置図の例)

 

各ステージのユーザーがどこから流入し、どのようにサイト内を回遊するかをイメージし、それぞれに対応する導線を設計しましょう。

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(図7:コンテンツ配置図を利用して課題顕在度に応じた想定経路を検討する例)

 

(3)不足・改善が必要なコンテンツを洗い出す

ターゲットに応じた必要なコンテンツや導線が整理できたら、自社のコンテンツ有無と状態をマッピングします。これにより、不足・改善が必要なコンテンツを洗い出すことができます。

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(図8:自社のコンテンツ保有状況から不足・改善が必要なコンテンツを洗い出す例)

 

自社の状態を整理できると、ターゲットやコンテンツの種類・導線、取り組みの優先度などを明確化しやすくなります。

(4)環境の把握

コンテンツ制作に取り組む場合は、「商材特性」「市場環境」「自社の資産」の3つの観点での情報収集も重要です。自社・市場の環境を把握することで、より効果的に、リソースの無駄なくコンテンツを制作することができます。

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(図9:環境把握が推奨される項目)

 

・商材特性
ビジネスモデルがBtoBなのかBtoCなのか、価格帯は高いのか安いのか、購入後のフォローが必要か、などにより求められるコンテンツは変わります。BtoBであればユーザーが社内稟議に用いやすい「導入効果・事例ページ」、購入後のフォローが必要な商品であれば「購入後のよくある質問」などのコンテンツが必要と考えられます。

また、競合商材に比べた強みのコンテンツ化も有効です。使いやすさ、価格、デザイン、性能、知名度など、さまざまな要素がある中で、自社商材の強みを明確化し、コンテンツに反映しましょう。

・市場環境
ターゲットに応じて広告、Webサイト、SNSなど、どのチャネルを通じてコンテンツを届けるかを検討します。事前に検討したペルソナや商材の特性を考慮して適当なチャネルを選択します。

また、潜在層の集客を目的としたコンテンツでは自然検索経由流入も重要です。流入を狙いたいキーワードの検索市場の規模や検索結果上位ページの顔ぶれ、品質なども調査して、上位表示できる見込みがあるかどうかも検討しておきましょう。

・自社の資産
制作するコンテンツの方針が決まってきたら、制作体制を検討します。実際の執筆や企画を担当する人数だけでなく、コンテンツの内容に詳しい部署・人に協力を仰げるか確認してみます。自部署以外の協力者も含め、自社のリソースを用いた内製で対応できるか、外注するかを判断しましょう。

また、社外に向けて公開されていないだけで、作ろうとしているコンテンツの内容が自社内には既にある、というパターンもあります。例えば、過去のセミナーや調査部門の分析レポート、社内のナレッジ資料などが挙げられます。ベースとなるコンテンツがあれば、目的やターゲットに応じた再編集で済みますし、何より自社ならではの独自性を加えることができます。

コンテンツ制作計画がもたらすメリット

全体を見通した計画に基づき、コンテンツを制作することで、以下のようなメリットが期待できます。

- 成果と効率性の両立

部分的にコンテンツ制作に着手してしまうと、成果が出にくかったり実は優先度の低いコンテンツを作ってしまっていたりなど、最適では無い手法を選択してしまう恐れがあります。

全体を見通したうえでの計画なら、自社にとって本当に必要なコンテンツを見極め、優先度を付けられます。これにより、成果貢献度の高いコンテンツを効率的に制作することができるのです。

- ブランドイメージや訴求軸の統一

複数のコンテンツを目的や担当者が異なるまま、すり合わせずに制作すると訴求やトンマナにブレが生じてしまい、ブランドイメージの統一が図れない懸念があります。コンテンツ制作計画を事前に立てておくことで、こういった懸念も払しょくすることが期待できます。

- マルチユースによる効率的なコンテンツ展開

全体を通したコンテンツ計画を策定することで、コンテンツの連動やマルチユースが実現できます。自社の資産を無駄なく効率的に多くの人に届けられる点もコンテンツ制作計画がもたらすメリットのひとつです。

例えば、アイレップではウェビナーの開催内容を動画コンテンツやレポート記事として公開しています。

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(図10:コンテンツをマルチユースする例)

 

- 競争優位性を発揮しやすい

商材特性や保有資産を見直したうえでコンテンツ制作に取り組むため、自社の強みや資産を活かした独自情報をコンテンツに反映しやすくなります。これにより、ターゲットに自社の強みをアピールしやすくなるほか、有益な独自情報を評価する傾向にあるGoogleなどの検索エンジンからも高評価を得やすくなるため、記事形式のコンテンツの場合は集客面でも有利にはたらく可能性があります。

- コンテンツ制作の進め方

一般的な進め方は以下の図11の通りです。上述したコンテンツ制作計画をベースに以下の手順で進めることで、より成果の大きいコンテンツ制作を実現できるはずです。

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(図11:一般的なコンテンツ制作の進め方)

 

- 企画・立案

事前に策定したコンテンツの目的やターゲットに応じて、アイデアをブレストしてコンセプトを決めます。マーケティングの担当部署だけではなく、営業担当にお客様の悩みや課題をヒアリングする方法もいいでしょう。

コンセプトはコンテンツのテーマや伝えたいメッセージをまとめたものです。コンセプトが決まったら、コンテンツの流れやストーリーを図や文章でまとめます。多くの場合はこのタイミングでコンテンツの種類が決定します。ここまで決まったら、必要なリソースや予算を検討し制作の準備をします。

- 構成・設計

企画したコンテンツを具体的な形に落とし込むために、構成や設計をおこないます。例えば、記事の見出しや段落構成、動画の場合や構成案やシナリオを決めていきます。

- 制作・編集

設計が決まったら、実際にコンテンツを制作・編集します。記事の執筆、写真や動画の撮影、Webサイトのコーディングなど、必要な作業をおこないます。

外部に作業を委託する場合は、想定と異なるものが制作されないよう、当初のコンテンツ計画をしっかりと共有したうえで発注することが重要です。内製で作る場合と外注の場合のメリットとデメリットは後述します。

- 検証・修正

制作が完了したら、コンテンツを確認し、必要に応じて修正をおこないます。例えば、記事の校正や修正、動画の編集の見直し、Webサイトの動作確認やデバッグなどをおこないます。

- 公開・配信

検証や修正が完了したら、制作したコンテンツを公開・配信します。例えば、記事をWebサイトに掲載したり、動画をWebサイトやYouTubeにアップロードしたりします。

- 効果測定・メンテナンス

コンテンツは公開したらそれで終わりではありません。コンテンツ計画で策定していた目標値への到達度や、ターゲットの遷移状況をモニタリングし、うまくいっている場合はその事例の横展開、うまくいっていない場合は課題の特定、施策立案・実装をおこないます。これにより継続的な成果創出を見込むことができます。

内製と外注、どちらがいいの?

コストやノウハウ蓄積、コンテンツの品質など、どちらにもメリットとデメリットがあります。コンテンツ制作の目的や環境(予算、スケジュールなど)、制作するコンテンツの種類(記事、動画、ebook、など)に応じて選択しましょう。

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(図12:内製の場合と外注の場合におけるメリットとデメリット)

まとめ

本記事では、コンテンツ制作の方法とその前段階で検討しておくべきコンテンツ計画の立て方をご紹介しました。アイレップでは、コンテンツ計画の立案~コンテンツ制作、メンテナンスまでを伴走型コンサルティングとしてトータルでサポートしています。コンテンツ制作に課題をお持ちの場合はぜひご相談ください。

▼関連資料

この記事の著者

増渕 佑美

2014年に株式会社アイレップに入社し、SEOコンサルタントとして従事。ソリューション部署に所属。通販や人材などデータベース型サイトを中心に経験を積んでおり、現在はメディアサイトのSEOも担当し幅を広げている。
好きなこと:散歩、パズル、動物の動画をみること

2014年に株式会社アイレップに入社し、SEOコンサルタント...

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