可能性は無限大!?YouTube広告の配信手法を活用した効果的な検証事例をご紹介!

2021.02.25

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なんとなくYouTubeで広告を配信している、YouTubeの広告配信手法ではやりたいことができていないという方へ、広告配信手法を活用した効果的な検証事例を紹介します。工夫次第で、成果を最大化する広告配信の可能性は無限大かもしれません。

1.YouTubeの広告配信とは?

すでに多くの方がご存じの通り、YouTubeは日々多くのユーザーが利用している世界最大級の無料動画プラットフォームです。そんなYouTubeは、エンタメメディアの中で圧倒的な利用者数を誇るメディアであると同時に、音声オンで視聴することが標準のため、視覚・聴覚に効果的に届けられるフォーマットであり、Googleが持つ莫大なデータを活用したターゲティングが可能な魅力的な広告配信媒体でもあります。動画広告を配信したいと思ったときに、まず思い浮かぶのはYouTubeと言っても過言ではないでしょう。

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(図1:YouTubeのイメージ)

 

しかし、いざ広告配信をしてみると、思うような配信ができなかった・配信した成果をどのように評価してよいかわからなかったといった課題を感じたことはないでしょうか?広告の効果をきちんと評価するためには、媒体が提供している配信手法を利用したうえで、効果を可視化するための綿密な検証設計が重要になります。それでもやりたいことができていないという方は、配信手法の「活用」に目を向けてみましょう。今回は、YouTube広告の配信手法を活用した、効果的な検証事例を紹介していきます。

2.YouTubeで提供されている広告配信手法

2-1.基本的な配信手法

配信手法の活用事例を紹介する前に、YouTube広告で提供されている配信手法について整理をしていきます。YouTubeにはさまざまな配信方法がありますが、今回は基本的な広告配信手法について紹介します。

(1)通常配信
YouTubeの一般的な配信手法。ターゲットユーザーに任意の動画を配信する。

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(図2:通常配信のイメージ)

 

(2)動画広告シーケンス(Video Ad Sequencing(VAS))
定義した順序で一連の動画をユーザーに表示し、商品やサービス・ブランドのストーリーを伝える配信手法。ユーザーの動画接触アクション(スキップ、完全視聴など)に応じて見せる動画の種類を変え、ストーリー性をもたせた動画を配信できる。

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(図3:VAS配信のイメージ)

2-2.基本的な調査手法

続いては、基本的な調査手法を紹介します。

(1)ブランドリフト調査
YouTube広告の「接触者」と「非接触者」を比較し、どれだけのリフトアップ(上昇率)があったかを検証。アンケート調査で、広告想起率・ブランド認知度・比較検討・好意度・購入意向を測定可能。

(2)サーチリフト調査
オーガニック検索を追跡したサーチリフトの測定。YouTube広告に接触したことで商品に興味を持ち、商品に関する検索をどれだけ行ったかという伸びを検証可能。

3.YouTubeの広告配信手法を活用した効果的なテスト事例

ここからは、これまでに紹介した配信手法を活用して独自の検証をおこなった事例を紹介します。

3-1.「動画広告シーケンス」を活用したフリークエンシー(FQ)検証

動画広告を出稿したことがある方なら、同じ視聴者に何回広告を配信するのが効果的なのかという課題を抱えたことがあるのではないでしょうか。1度見ただけでは印象に残らないだろうが、何度も同じ広告を見続けたら嫌悪感を与えてしまうかもしれない…そんな時に参考にするのが広告の接触頻度=フリークエンシー(FQ)です。

最初に紹介するのは、そんな最適なFQを見つけるために、動画広告シーケンス=Video Ad Sequencing(VAS)を活用してテストをした事例です。2.1章で紹介した通り、動画広告シーケンスとは定義した順序で一連の動画をユーザーに表示し、商品やサービス・ブランドのストーリーを伝える配信手法です。

通常はストーリー性のある広告を、視聴者の態度によって出し分けるために活用しますが、必ずしもストーリー性がある複数種類の動画を入れなければならないわけではありません。

この配信手法を逆手に取り、同じ動画を連続的に設定し続けることで、同じ視聴者に同じ広告を配信し続けることが可能です。媒体機能上、シーケンスごとに成果を確認できるので、CTR・CVRの観点で何回目のシーケンスが最も効果的であるかを比較することができます。

同じ動画を入れ続けている場合シーケンスがイコールFQになるため、もっとも成果のよいシーケンスを、最適FQであるとすることができます。図4の場合であれば、FQ7回目のCTR・CVRが高くなっているため、FQ7回が最適FQであると言えます。

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(図4:FQとCTR・CVRの推移イメージ)

 

3-2.ブランドリフト調査を活用したFQ検証

続いては同じFQに関する別の事例を紹介しましょう。

YouTubeが提供しているブランドリフト調査は、YouTubeでの広告接触者がどのように態度変容をしたかというブランドリフトアップを計測するときに用いる手法です。従来は、広告配信終了後に広告の効果を可視化するために実施されます。

先述した事例では、何回広告が配信されるのが効果的かを判断する指標として、CTR・CVRを用いました。一方でこの事例では、ブランドリフト率が最も高まるFQが最適FQであるという仮説のもと、ブランドリフト調査で計測したブランドリフトアップを指標として定義をおこないました。

配信によって蓄積されていくFQとの相関をリアルタイムでモニタリングすることで、最適なFQを見極めることができます。配信結果を評価するためのブランドリフト調査を指標のひとつとして活用する発想の転換で、検証を可能にした事例になります。図5の場合、FQ2.5回目辺りを境に、ブランドリフトが上昇しづらくなっていることから、ブランドリフトアップを効率的におこなうための最適FQは2.5回であるということが判断できます。

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(図5:FQとブランドリフトアップ率の推移イメージ)

3-3.カスタムコンバージョンを活用した指名検索数の最大化検証

最後に、認知効果の指標として用いられる指名検索数を最大化させるための事例です。

指名検索数とは、企業名や商品名で検索された数 のことを指します。例えば、株式会社アイレップという企業名であれば、「株式会社アイレップ」「㈱アイレップ」「アイレップ」といった検索クエリのことです。これらは、明確に株式会社アイレップという企業のことを検索しているとわかるため、企業名が認知されていることを表す指標として置き換えることができます。指名検索数が増えるということは、それだけその企業や商品のことを知って調べる人が増え、認知率が高まったということになるのです。

広告効果による指名検索数の測定は、図6のように広告接触したユーザーが指名検索をおこなった際に、リスティング経由でWebサイト流入した数を計測することで定義できます。

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(図6:指名検索数計測のイメージ)

 

例えば、あなたの会社がケーキ屋さんでケーキをひとつでも多く売ることがビジネスの目的だった場合、広告の配信目的(コンバージョン)はケーキの「購入」になります。しかし、今の目標が新作の「スペシャルショートケーキ」の認知を上げることであった場合、広告配信の目的は「購入」ではなく「認知」になります。このように、目指す目的に応じてコンバージョンポイントを変更することが、成果の最大化を図るうえで大切です。

認知を目指すのであれば、先述したように指名検索をするユーザーを増やすほうが、ただ広告を見たユーザーを増やすよりも商品のことをきちんと認知したユーザー数を増やすことにつながるように思います。しかし、「指名検索」などというアクションは媒体で設定できる指標にはないと思われた方もいるのではないでしょうか?

そんな課題を解決する機能がカスタムコンバージョンです。カスタムコンバージョンはコンバージョンポイントを任意に設定して活用する機能のため、この事例では指名検索をカスタムコンバージョンに設定することで、指名検索数の最大化ができる配信設計を実現しました。

媒体の配信は優秀ですが、適切なコンバージョンポイントを定義できていないと、思ったような成果が得られない可能性があります。やみくもに媒体上で定義できる指標をコンバージョンとして設定しまうのではなく、本当に目指すべきコンバージョンが何であるかを考え、コンバージョンポイントを工夫してみることも成果の最大化にとっては重要なポイントになります。

4.まとめ

今回は、媒体が提供している配信手法の利用方法を転用したり、機能を組み合わせたりといった工夫をして効果的な検証をおこなった事例を紹介しました。

3-1、3-2の事例からもお分かりいただけるように、FQ検証というひとつの目的においても、それを成し遂げるための正解はひとつではありません。みなさんが広告配信で抱えている課題が媒体から提供されている配信手法で解決できそうにないのであれば、その手法を活用して新たな価値を生み出してみてはいかがでしょうか?工夫次第で、成果を最大化する広告配信の可能性は無限大かもしれません。

 

この記事の著者

DIGIFUL編集部

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