販売や営業の可能性を広げる!「ショート動画接客」の活用術紹介セミナー

2023.03.07

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アイレップは、2022年10月12日、縦型ショート動画接客ツール「ザッピング」を開発・提供する株式会社ファナティックと販売代理店契約を結び、同社と共同で「ショート動画接客によるフルファネル支援パッケージ」の提供を開始しました。この記事では、ショート動画をECで活用する意義と、「ショート動画接客によるフルファネル支援パッケージ」の詳細を紹介します。本稿は、2022年12月15日に開催された「販売や営業の可能性を広げる!ショート動画接客の業界別活用術紹介ウェビナー」での講演内容をもとにしています。

EC領域でショート動画の価値が大きくなっている

野田
なぜ今EC領域において、ショート動画の価値が大きくなりつつあるのでしょうか。ショート動画が登場した経緯を振り返りながら、その理由を紐解きます。

1980年代以降の最大通信速度の変遷を見ると、情報量の増加に伴って、約10年ごとに通信規格が進化していることが分かります。

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(図1:10年ごとに進化する通信規格。第5世代ではメタバース、ライブ配信、ショート動画といったエンターテインメント初の手法が台頭しつつある)

画像引用:第1部 5Gが促すデジタル変革と新たな日常の構築|総務省

 

第1世代はアナログ方式の音声のみでした。1990年代の第2世代になるとデジタル方式に変更され、音声だけではなくメールや画像の送信が可能になり、ネットの閲覧も可能になりました。2000年代の第3世代以降は、高速化の一途を辿ります。2010年代の第4世代では動画の視聴、2020年代の第5世代(5G)では多数同時接続が可能になりました。現在は、これまでの動画配信からライブ配信やショート動画へと発展し、メタバースも一般化しつつある状況にあります。

第5世代で台頭してきた、メタバース、ライブ配信、ショート動画の広がりにより、本来、エンターテインメントやコミュニケーションのために作られた技術が、販促の一手段としても使われるようになりました。

例えば、オンラインゲームを入り口に認知を拡げてきたメタバースは、バーチャルショップという形でECの可能性を広げています。

従来は音楽や演劇、スポーツの配信手段のひとつだったライブ配信がSNSと結びつくことでコミュニケーションツールとなり、さらにライブコマースという販売手法に発展することで、一気に広がりを見せました。

同様に、TikTokやInstagramで人気を集めていたショート動画も、今やECの販促手段としても欠かせない存在になりつつあります。

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(図2:エンタメ領域からマーケティング領域に広がる新しいデジタル上での販売手法)

宣伝方法を工夫しないと、生活者に反応してもらえない

野田
こうした変化は、「宣伝」の方法を大きく変えました。

SNSが普及する前の宣伝は、とにかく商品の存在を知らせるだけで十分でした。しかし、情報量の増大とSNSの広がりを背景に、ただ知らせるだけでなく、どういう商品なのかを正しく、分かりやすく伝えなければならなくなりました。現在は、分かりやすいのは当たり前で、それに加えて「楽しそう」かつ「簡単に(短時間で)」入手できる形で、情報を提供する必要があります。

そのためには、どのような手段で伝えていけば良いのでしょうか?

SNS時代の今、生活者は自分の見知った人、親近感を持っている人からの発信に反応し、共感を寄せる傾向にあります。それは必ずしも実在の友人、知人だけでなく、SNS上で日常的に接するインフルエンサーも含まれます。一方で、見知らぬ人(存在)からの情報には、いっさい反応しない、場合によってはネガティブな反応をする傾向にあるともいえます。

つまり、「生活者と顔見知りではなく、日常生活における共通点もない企業が、ただ言いたいことを言うだけの宣伝」では、生活者に反応してもらえない可能性が高いということです。反応して、さらに好感を持ってもらうためには、工夫が必要なのです。その工夫のひとつが、スタッフコマースです。

スタッフコマースに適したソリューション「ザッピング」

野田
近年、特に衣料品のECを中心に、「スタッフコマース」と呼ばれる販売スタイルが一般化しています。

スタッフコマースとは、個々の店舗スタッフの個性を活かしたSNSやショート動画の発信によって親近感を醸成しつつ、宣伝、販売までおこなう販売スタイルのことです。

われわれが提供する「ザッピング」は、この「スタッフコマース」をスムーズに実施するためのソリューションです。スマホで撮影した縦型ショート動画を、専用アプリを介して手軽にリンク付きで自社のWebサイト/ECに投稿できます。

 

※クリックをすると、ザッピングで投稿したさまざまな動画イメージがご確認いただけます

 

「ザッピング」の主な導入メリットは、以下の3点です。

①ECサイト上で店舗スタッフや営業担当者といった個々の強みを活かした接客ができる
②スタッフごとの成果を可視化し、インセンティブ設計ができる
③ECの購入率が向上する

ショート動画による接客といっても、方法はさまざまです。スタッフが顔出しで商品やサービスを説明する方法の他に、物撮りやテキストを用いて商品紹介する場合もあります。それぞれが得意な形で全員参加できるのが、ショート動画を接客に活用するメリットのひとつです。

「ザッピング」では、スタッフが投稿した接客動画の売上や視聴回数が集計され、一人ひとりの成果が可視化されます。これによってインセンティブ設計が可能になり、効果的なスタッフコマースの実施を実現します。経由売上に応じたインセンティブの支給は、離職率の低減にも寄与します。

「ザッピング」導入後の1投稿あたりの経由売上は、静止画の3.5倍、ECサイトの平均滞在時間は20%増、動画視聴後の購入率は30%増という成果が出ています(いずれも導入企業様の平均値)。

こうした高い成果を出せる理由は、「ザッピング」の没入感を維持する操作性にあります。

ショート動画は、一度再生すれば、連続再生でサクサク見ることができるというのが大きな特徴です。気になる投稿に出会うまではどんどん送り、気になる投稿に出会ったら、手を止めて視聴する。詳細を知りたくなったら、動画上のリンクから商品詳細ページへ遷移する。このように「ザッピング」は、ショート動画によって想起された興味関心を維持し、没入感を持ったままCVポイントにたどり着くように設計されています。

「ザッピング」をより効果的に活用するために

野田
「ザッピング」を効果的に活用していただくには、クリアすべき5つの壁があります。

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(図3:ショート動画接客の課題をアイレップとのパートナー契約で一気通貫でサポートが可能に)

 

特に高い壁となりがちなのが「企画設計」と成果集計後の「改善」です。今回のアイレップとの提携によって、企画設計から運用、成果集積、運用後の改善、デジタル施策と実店舗施策の連携など、「ショート動画接客によるフルファネルでの支援」が可能になりました。

(図4:ショート動画の企画・制作支援からPDCAまで、フルファネルでサポートが可能に)

ショート動画接客をフルファネルで支援

戸田
「ショート動画接客によるフルファネル支援パッケージ」では、時間軸を「プレストア(来店前)」「インストア(来店)」「アフターストア(来店後)」の3つに区切り、それぞれの時期に最適なサービスを提供します。

 

- プレストア支援
プレストア支援で提供する主なサービスは、SNS広告、オウンドメディア、SNS公式アカウント運用の3つです。

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(図5:プレストアにおける支援内容)

 

SNS広告
SNS広告実施における事業者メリットは、ショート動画を活用したブランド認知です。スタッフが作成した動画コンテンツを、広告素材にも活用することでブランド認知向上に繋げます。アイレップは、各メディアの特性に応じた訴求力のあるコミュニケーションを実現し、ユーザー獲得を支援します。

オウンドメディア
オウンドメディア実施における事業者メリットは、「連続した接客体験」の創出です。自社サイト内にショート動画コンテンツを増やす事で、サイト内回遊率アップを促進し、成約率増加に繋げます。アイレップは、上流工程にSEO要件を組み込んだサイト設計と、公開後のPDCAまでをワンストップで支援します。

SNS公式アカウント運用
SNS公式アカウント運用における事業者メリットは、個人アカウントからの流入による集客増加です。アイレップは、成果に繋がるSNS運用ソーシャルメディアを活用したプロモーション・キャンペーンを、戦略設計から運用までワンストップで支援します。

 

- インストア支援
インストア支援で提供する主なサービスは、チャットボットとデジタルサイネージです。

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(図6:インストアにおける支援内容)

 

チャットボット
チャットボットを実施する事業者メリットは、ユーザーが求める回答を「より分かりやすく」提供できるようになることです。顧客の疑問・不安点をタイムリーに解消するだけでなく、お気に入り店舗・スタッフへの親近感醸成に繋げます。アイレップは、カスタマイズ可能なシナリオ構築をサポートし、ツール導入のみに止まらず、運用効果の分析、シナリオチューニングを目的とした運用コンサルティングを提供します。

デジタルサイネージ
デジタルサイネージを実施する事業者メリットは、接客動画を活用したニア/リアルタイムな告知の実現です。業種に適したコンテンツを最適なタイミングで配信することで、これまで以上に楽しい購買体験の提供ができ、結果として集客・売上促進に繋げます。アイレップは、デジタルサイネージのハード、システム面の導入に加えて、AIカメラを活用したコンテンツの視聴分析・効果検証も支援します。

 

- アフターストア支援
アフターストア支援で提供する主なサービスは、デジタル広告、CRM、カタログ・リーフレットの3つです。

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(図7:アフターストアにおける支援内容)

 

デジタル広告
デジタル広告を実施する事業者メリットは、ショート動画×フィード広告でより効果的に商品訴求ができることです。制作したショート動画が各媒体になじんだ形で配信されることで、自然な流れで、印象的に商品を訴求できます。デジタル広告を扱える広告代理店はそう多くはありません。アイレップは、豊富なWeb広告運用ノウハウをベースにキャンペーン全体の効果改善を実施することで、ショート動画の効果最大化を支援します。

CRM
CRMの構築における事業者メリットは、セグメント配信を自動化することで、高い効果を実現できることです。本支援パッケージは、LINEのプラットフォームを中心としたCRM支援をおこないます。スピーディーな実装で、抽出・配信設定が一切不要な⾃動配信を実現し、戦略立案から運用設計、オペレーションまでを合わせて支援します。

カタログ・リーフレット
カタログ・リーフレットの制作/配布における事業者メリットは、オウンドメディアなどで人気のショート動画をカタログにも活用することで、商品購入を促進できます。アイレップは、紙/デジタルの制作においても、「企画設計~デザイン~入稿」までをトータルで支援します。

 

- バックエンド支援
バックエンド支援の内容は、動画制作支援とインセンティブ設計の2点です。

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(図8:バックエンドにおける支援内容)

 

動画制作支援
動画のメリットは、静止画では伝わりにくいストーリーも、一目で感覚的に伝えることができることです。アイレップは、動画制作を円滑にできるための、内製化をサポートします。最新のTipsを持ったスタッフが、「カメラワーク」「ユーザーの共感ポイントの生成」などの撮影のコツや、製品やブランドのコンセプトに合わせてどのようにクリエイティブに落とし込むかを、ウェビナー形式でサポートします。

インセンティブ設計
適切なインセンティブ設計は、健全な競争を促し、個人ひいては組織の成長を促進します。アイレップは、個人の成果だけでなく、組織で成果を上げる視点も盛り込んだ評価設計を構築します。

フルファネル支援の流れ

戸田
「ショート動画接客によるフルファネル支援パッケージ」の全体の流れは以下のとおりです(図9)。クライアント企業様のマーケティング戦略理解から課題整理、マーケティング施策立案、具体的なソリューションに落とし込むところまでを5つのステップで支援体制を構築しています。

(図9:「ザッピング」導入からフルファネル支援の流れ)

スタッフコマースの効果を高めるためのプランニングの考え方

岡本
「One to Oneマーケティングの構想から実装に至れない」「コンテンツ更新頻度に限界があり、オウンドメディアに定期的に来訪してもらえない」「自社商品購入者の平均LTVが一定以上伸びない」。こうした課題感は、さまざまな業界でおきていることではないでしょうか。

これに対して、スタッフコマースの仕組みを導入することで、感性の合うスタッフとの出会いによるOne to One コミュニケーションが実現し、マッチング率の向上、納得感の醸成によるEC購入率向上、Web来場予約率の向上が見込めます。

また、多くの販売スタッフがスタッフコマースに参画することで、頻度高くコンテンツが更新されることにより、生活者がオウンドメディアに来訪するたびに、新たなワクワク感をつくりだせます。これによって、オウンドメディアへのリピート率向上が見込めます。さらに、ブランドにスタッフという軸が加わることで、ブランドファンの純増が期待でき、平均LTV向上の達成が見込まれます。

これらの貢献をもたらすスタッフコマースが、より高い効果を創出するためには、「スタッフ」「コンテンツ」「エクスペリエンス」の3つの視点でプランニングをしていくことが重要です。

まずは「スタッフ」ですが、要になるのは、スタッフページの設計と内容の充実です。

生活者に評価され、ファンになっていただけるスタッフページを作るために、私たちが独自に開発した、「S.P.A.T.O.R.(スペーター)」のフレームワークをご紹介します。

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(図10:評価されるスタッフページにするためのS.P.A.T.O.R.(スペーター)のフレームワーク)

 

例として、ある不動産賃貸事業を営んでいる企業のスタッフのページを「S.P.A.T.O.R.」のフレームワークに当てはめて設計していきます(図11)。

まず、「S.(SNS)」。スタッフ個人の仕事用SNSアカウントが開設されており、そのSNSにも制作したコンテンツが掲載されるようにします。そして、そのSNSアカウントからスタッフページにリンクを貼ります。これにより、SNSからの外部流入を狙うことができ、オウンドメディアでの来場予約等につなげることができます。

次に、「P.(Profile)」。閲覧している生活者が、自分と親しい価値観をもっているスタッフか、親近感がわくようなスタッフなのか、それをしっかりと表現しているようなプロフィールにする必要があります。ついては、プライバシーに配慮しつつも、プロフィールに趣味やライフスタイルなど、生活者との接点をうむような内容を記載することが好ましいです。

ここから、スタッフページに一覧掲載されている投稿について、見てゆきます。

まず「A.(Active)」。生活者が本スタッフのSNSへ定期来訪するたびに新しい情報を得られるアカウントであることが重要です。定期的にコンテンツが投稿されるアカウントとして認識されることで、生活者もスタッフページへ定期的に訪れようというモチベーションをつくりだすことができます。

次に「T.(Thumbnail)」。投稿されている動画のサムネイルは、生活者が横並びで比較検討できるように、スタッフページ内で統一されていることが好ましいです。

そして「O.(Originality)」。他のスタッフが投稿するコンテンツと似通っていないオリジナリティがあるコンテンツになっていることが重要です。

最後に「R.(Real time)」。新着情報として、生活者が知りたいような情報はタイムリーにコンテンツ化し、お届けすることが重要になります。賃貸であれば、新着物件について、いち早く生活者へお届けしてあげると、そのスタッフページを生活者が定期的に見る習慣がつくれるのではないでしょうか。

(図11:S.P.A.T.O.R.(スペーター)のフレームワークでチェックするスタッフページ)

 

高い効果を創出するための視点として、まず「スタッフ」をご紹介しました。

そのほかの「コンテンツ」「エクスペリエンス」については、業種ごとに活用イメージをまとめましたので、是非ご確認ください。

教育サービス
・保険代理店  -Coming soon...
・玩具メーカー -Coming soon...
・楽器販売業  -Coming soon...
・家具販売業  -Coming soon...
・小売り流通業 -Coming soon...

戸田
最後に、スタッフコマースがさまざまな業種に導入されることで、生活者、販売スタッフ、企業に対して、コマース体験の向上や、事業数値貢献がお届けできればと思っています。スタッフコマースの導入・活用につき、ご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

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この記事の著者

DIGIFUL編集部

「DIGIFUL(デジフル)」は、(株)アイレップが運営する「デジタル時代におけるマーケティング」をテーマにした、企業で活躍するマーケティング担当者のためのメディアです。

当社がこれまでに得たデータや経験から、具体的事例・将来展望・業界の最新注目ニュースなどについて情報を発信しています。ニュースやコラムだけでなく、日常業務や将来のマーケティング施策を考えるときに役立つダウンロード資料や、動画で学べるウェビナーコンテンツも随時追加していきます。

デジタルマーケティングの最新情報や知見を得るための信頼できる情報源の1つとしてお役立てください。

「DIGIFUL(デジフル)」は、(株)アイレップが運営する...

野田 大介

株式会社ファナティック
代表取締役

ファッション誌の編集、スニーカーブランドの生産管理、アパレルブランドでの通販責任者を経て、2016年に株式会社ファナティック設立。大手アパレル通販のリニューアル支援や売上改善の傍ら、2017年にLINE公式アカウントの自動配信ツール「ワズアップ!」を提供開始。2020年には日本で6人だけのLINEの認定講師 LINE Frontlinerに任命(2022年現在9名)。2021年には動画接客ツール「ザッピング」の提供を開始。

株式会社ファナティック
代表取締役

ファ...

岡本 和久

株式会社博報堂
DXソリューションデザイン局

イノベーションプランニングディレクターシステムインテグレーター、メディアサービス企業を経て、博報堂入社。システムインテグレーターでは資産運用会社向けのSaaSサービスの開発に従事。メディアサービス企業では分譲マンションデベロッパー向けにマーケティング、メディアプランニング、商品開発にて事業伸長に貢献。博報堂では、OMO、B2Bマーケティング、MaaSのプランニングチームを歴任し、事業開発、UX、DX、AI等のテーマで得意先業務をアップデート。JDLA Deep Learning for ENGINEER 2021#2。

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