BtoB マーケティングを統合的に推進するためには?(3/3)

2020.07.20

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この記事の著者

竹内 哲也

NTTデータ、コーポレイトディレクション等を経て、2014年にデジタル・アドバタイジング・コンソーシアムに参画。2018年より株式会社アイレップも兼務し、グループ全体の統合デジタルマーケティングを包括的に牽引。2019年度より株式会社アイレップ専任執行役員。NEWSY、タービン・インタラクティブ、シェアコト3社の社外取締役も兼任。早稲田大学政経学部卒。専門は事業開発。

NTTデータ、コーポレイトディレクション等を経て、2014年...

本ブログは、法人向けに商品やサービスを提供している企業に対して、デジタルマーケティングの技術や手法を活用して、潜在リードから効率的に売上をつくる方法や、業務を効率化させる方法など、最新の考え方やノウハウを体系的にまとめています。経営者の方は、全社視点で、どのようにデジタルマーケティングをマネジメントに組み込んでいけばいいのか、マーケティング担当者の方は、どのようにマーケティング施策を立案し、現場に落とし込んでいけばいいのか、営業担当者の方は、自分の業務がどのように変化していくのか、という視点で読んでもらえればと思います。

本ブログでは、「デジタル時代の基礎知識『BtoBマーケティング』」の第3章を3部構成でお伝えいたします。

これまでの記事はこちら
BtoB マーケティングを統合的に推進するためには?(1/3)
BtoB マーケティングを統合的に推進するためには?(2/3)

 

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ホットリードを短期で成約につなげる方法

営業プロセスと顧客のステイタス

図20は、情報発信からクロージングまでの営業プロセスに、顧客のステイタス(検討状況)をマッピングしたものになります。一般的に、問い合わせ段階では、潜在的なニーズや課題は把握できてはいるものの、実際に検討段階に入るのはだいぶ先になりそうなリードが大半です。

割合でいえば、問い合わせ段階では9割ぐらいが潜在顧客になります。このようなステイタスにある新規の見込み顧客に対しては、リードナーチャリングを行うことで、じっくりニーズを顕在化させていく必要があります。

一方で、問い合わせ段階から、お客様内部での検討がある程度進んでいて、提案段階の一歩手前ぐらいのステイタスにあるリード(ホットリード)も存在します。

商品やサービスによっても違いがありますが、割合でいえば、1割ぐらいが顕在顧客になります。BtoBマーケティングを本格的に着手し始めて、短期的に成果をだしていくためには、ホットリードをマーケティング部門と営業部門が連携して提案・クロージングしていく必要があります。営業部門側でも、マーケティング部門側から供給される新規リードが、どのレベルまでニーズが顕在化していると提案・クロージングにつながるのかをチェックしておきます。それを定期的にマーケティング部門側にフィードバックしていくと、リードの質に共通の認識ができあがり、お互い無駄な動きが減っていきます。

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(図20:営業プロセスと顧客のステイタス)

MAを運用レベルで使いこなせるようにする

実際にMAを導入し、本格的にリードジェネレーションとリードナーチャリングを実施して成果が出始めるようになるまでには、日々のMA運用業務が大切です(図21)。

32463352642_02(図21:MAを運用レベルで使いこなす)

リードジェネレーションの運用業務

リードジェネレーションでは、日次レベルでは問い合わせのあった新規リードへのメール対応や電話対応などがあります。週次レベルでは、ブログ記事やホワイトペーパーなどコンテンツマーケティングの更新作業があります。また、月次レベルでは、新規リードの獲得状況の把握や、問い合わせがあった企業の顧客分析と営業へのフィードバックなど、業務全体のPDCAの改善を定期的に行っていきます。

リードナーチャリングの運用業務

リードナーチャリングに関しては、週次レベルでは、シナリオ設計にもとづくメール配信が業務として発生します。初めは、対象顧客を絞り込まず、月2回程度のメール配信をし、業務が習得できてから、対象セグメントのステイタスに応じて、メール配信の内容を変えていけば効果も高まります。例えば、A商品を購入した企業がB商品も購入しているという傾向が把握できれば、A商品を購入している企業のみに、B商品に関するコンテンツを配信することができます。月次レベルでは、新規リードのスコアリング状況の把握や、既存顧客に対するセミナーの案内、定期的なインサイドセールスなどが業務として発生します。

すべての機能を使わなくてもOK

MAは今も進化を続けており、機能は増えています。いきなりすべての機能を使った計画は立てづらいので、まずは自社にあった基本の運用体系を構築するところからスタートするのがよいと思います。例えば、社内の人的リソースが少ない場合、問い合わせがあった新規リードに対して、シナリオ設計にもとづくメールの自動配信を複数用意しておくことで、業務を効率化することが可能です。その他、リードジェ ネレーションを目的として作成したブログ記事を再編集して、リードナーチャリング用のメール配信コンテンツにすることも効果的です。情報発信とそれに連動したシナリオが確実に動作していることを確認しながら運用を続け、成果を求めていけば、豊富な機能をどのように使うべきか、自社にとって最適な方法が構築できるでしょう。

継続的にコンテンツ配信ができる体制を整える

BtoBマーケティングを推進していくときの一番のボトルネックは、コンテンツ配信です。継続的に行うための体制を整える必要があります(図22)。

32463352642_03(図22:継続的にコンテンツを配信する体制づくり)

マーケティング部門による情報発信

まず、どういう情報を発信していくかを決める必要があります。マーケティング部門が中心となり、四半期から半期単位で、コンテンツ マーケティングの企画立案を行い、編集方針を決めていくことが多いです。具体的には、ターゲット(ペルソナ像)に最適化されたキーワードから、コンテンツ方針を明確化した上で、コンテンツマップ(図23)を作成し、スケジュールを策定し、計画的に執筆を行う体制をつくっていくことが重要です。

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(図23:コンテンツマップ例)

サービス部門によるコンテンツネタ提供

実際のネタ元になるコンテンツの制作は、商品・サービスの企画開発を行っているサービス部門が担当します。社内だけで制作すると、読み物にならないことが多いので、外部事業者(コンテンツ制作会社)と連携して進めていくほうが安心です。
SEOを意識しながら、信頼度の高い良質のコンテンツを継続的に情報発信することで、リード獲得は確実に増えていきます。BtoB企業の専門的な内容の場合、大量の記事を執筆することは難しいので、月に4、5本をまずは半年続けることを目標にすることをおすすめします。MAのレポート機能を使うと状況を把握しやすいです。

広報部門には社外向けの業務と社内向けの業務がある

広報部門の役割は、大きく分けて社外向けの業務と社内向けの業務の2つに区分することができます(図24)。
社外向けは、さらに広報業務とマーケティング業務に区分できます。広報業務は、IR対応、コーポレートサイトの企画・運営、プレスリリースやブログ記事・ホワイトペーパーなど対外的に情報発信するものに関しての内容チェックです。マーケティング業務は、イベント・カンファレンスへの出展、定期セミナーの開催、社外からの問い合わせ対応やメール配信などになります。社内向けは、社内報の企画・配信や、全社キックオフなどの社内イベントの企画運営なども行う場合があります。中小企業の場合、広報部専属の担当者がいなかったり、いたとしても1~2名程度だったりします。大企業の場合でも、4~5名程度で業務を回していることが多いので、少ない人数で、かなりのボリュームの仕事をさばいていく必要があります。

32463352642_05(図24:広報部門の社内と社外の業務)

対外的に発信するコンテンツへの対応

BtoBマーケティングを推進していく上で、一番重要になるのが、対外的に発信するコンテンツの内容精査です。コンテンツの内容次第で、新規リードの獲得につながる場合もあれば、そうでない場合もあるからです。BtoB企業であっても、間違った情報を発信するとTwitterやFacebookなどのSNSに書き込まれて炎上することもあります。まずは、間違った情報をださないために、広報部が内容をきちんと精査することと、情報発信した後も、継続的に内容を観察していくことが重要です。

取り組み施策を定期的に見直す

月次レベルでPDCAを回す

取り組み施策を定期的に見直すときの評価指標を整理します(図25)。まず、KPI の評価指標で注目するのは新規リード数とリードのステイタスです。リードジェネレーション施策でどれぐらいの新規リード数を獲得できたのか、また、メール配信やインサイドセールスなどのリードナーチャリング施策で、どれぐらいリードの質を高められたのかを月次レベルで把握していきます。最終的にはBtoBマーケティング施策が受注件数にどれぐらい結びついたのかを見ていく必要がありま すが、スタート段階ではそれほど重視する必要はありません。その他の施策として、サービスサイト、コンテンツ、SEO の3つに関しても評価指標を設定してPDCA を回していきます。サービスサイトでいえば、どれぐらいの人がサービスサイトに来訪しているのか、また、滞在時間や回遊率などもチェックして、定期的に見直しをかけます。コンテンツに関しては、最低でも年間50本程度のブログ記事をアップしていく必要があるため、四半期単位で編集方針を定め、月次の取り組みに落とします。また、通常の問い合わせだけでなく、ホワイトペーパーのダウンロード数などもホットリード化する可能性が高いので月次単位でダウンロード数をチェックします。SEOに関しては、設定したキーワードが検索エンジンでどれぐらいの順位で推移しているのか、こちらも月次単位でチェックしていきます(図26)。

32463352642_06(図25:取り組み施策のチェックポイント)

 

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(図26:SEO効果検証を目的とした順位定期計測)

<DL資料>BtoBデジタルマーケティングレベル診断シート

 

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