【ライブコマースチームTAKE ZERO 定期連載】第1回(後編)アイレップがライブコマースに挑戦する理由

2021.08.20

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この記事の著者

八木 葵

インタラクティブデザインDiv プランナー
2021年アイレップ入社。動画プランニングやコピーライティングの勉強をしています。

▼好きなこと
陶芸とフラフープ

インタラクティブデザインDiv プランナー
202...

アイレップはライブコマース事業を専門にプランニングするチームTAKE ZERO (テイクゼロ)を発足し、ライブコマース施策の実施やクライアント企業向けセミナーを主催するなどの活動をおこなっています。

また、最近では「ゆうこす」こと菅本裕子さん(以下、ゆうこす)が代表を務めるライバーマネジメント運営をおこなう株式会社321との業務提携を開始し、コマーサー※1育成にも力を入れています。

この度、TAKE ZEROはライブコマースに興味を持つ企業の皆様に向けた連載企画を立ち上げました。

ライブコマースの概要や 最先端事例、イチオシのコマーサー情報など、最新情報を毎月ご紹介していきますので、ぜひご注目ください!

※1 コマ―サー:アイレップが定義する人材の概念。フォロワーの多いインスタグラマーやYouTuberではなく、リアルタイムにユーザーの質問やコメントに応えながら商品・サービスを自身の言葉で伝えるライブコマースに特化した配信者を指す。

ライブコマースの現在

世界のライブコマース市場:ライブコマース大国、中国

まずライブコマースの現在の市場をご説明します。世界的に見て、特に市場が大きい国は、中国です。中国のライブコマース市場は2019年に成長軌道に乗り、コロナ禍で一気に成長しました。2020年のライブコマース流通総額は9,610億元(約14.6兆円)。FinTech「中国「ライブコマース」は世界の10年先をゆく、業界の構造と利益配分率も詳解」では、「iResearchの予測によると 2020年のEC全体の流通総額は11.2兆元(約170兆円)で、ライブコマースはEC全体の約8.6%を占めることになる。」と述べられています。

2021年には、この市場が32兆円に達する予測です。中国全土で一大商戦が繰り広げられる独身の日 の2020年の流通取引総額は「7.9兆円」。ピーク時は、1秒に約58万件の注文がありました。

参考:FinTech 2020年8月21日「中国「ライブコマース」は世界の10年先をゆく、業界の構造と利益配分率も詳解

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出典:FinTech 2020年8月21日「中国「ライブコマース」は世界の10年先をゆく、業界の構造と利益配分率も詳解

(図1:中国のライブコマース市場規模推移)

日本市場におけるライブコマースのポテンシャル]

日本の現在のライブコマース市場は、どのくらいの規模なのでしょうか。日本の2018年のBtoCのEコマース市場規模は18兆円でした。中国におけるソーシャルコマースの割合(2020年度は約14.6兆円でEC全体の約8.6%)から考えると、日本の「SNS内のEコマース」であるソーシャルコマース市場は2,600億~1兆円規模のポテンシャルがあります。2018年のフリマアプリ市場規模が6,392億円規模のため、現CtoC市場よりも大きくなる可能性があるのです。

 

出典: 経済産業省2019年5月16日「電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました

(図2:日本のBtoC-Eコマース市場規模の推移)

中国市場と日本市場の違い

では、中国のライブコマースの成功セオリーをそのまま日本市場に持ち込めば上手くいくのでしょうか。結論から述べると、上手くいきません。なぜなら、中国と日本では市場の性質に違いがあるからです。実際に2017年前後、日本で数々のライブコマースサービスが開始するも、定着するには至らず、ライブコマース事業の撤退が続きました。そのためアイレップは、中国と日本の文化の差や民族性、マーケット環境の違いに着目し、中国のライブコマースとは異なる日本独自のセオリーを考案する必要があると考えました。ライブコマースというマーケティングにおける中国と日本の違いは以下のとおりです。

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(図3:中国・日本の民族性・マーケット環境の差)

日本のライブコマースに必要なもの

日本のライブコマースは「つながる場」の提供

日本と中国の文化や民族性、マーケット環境の違いがあるため、ライブコマースに求められるものも必然的に異なります。中国では、ライブコマースが「ものを売る場」である一方、日本ではライブコマースが「つながる場」を作ることが求められています。では、なぜ日本のライブコマースは「つながる場」なのでしょうか。モノや情報が飽和状態の今の日本で、生活者が求めているのは、自分に必要な商品やブランド、つまり 「自分らしいもの」だといえます。モノやブランドに出会ったとき、生活者は「そのブランド/商品が自分に必要なものなのか?自分らしいものなのか?」という問いへの答えを求めています。つまり、ブランドとのコミュニケーションを欲しています。それゆえ、生活者とブランドのつながる場としてライブコマースがあることで、生活者が買い物に求めている「自分らしさの担保」につながるのです。

コマーサーによるライブコマースで「友達のおすすめ関係」を作り出す

ブランドと生活者の「つながる場」を作るライブコマースのコマーサーに求められているのは、「友達のおすすめ関係」を作り出すことです。ブランドが広告や通販番組を通じて購入を促す場合、企業が声を発していると捉えられ、「買って(Buy Me)」型のメッセージになります。しかし、ブランドと視聴者の間にコマーサーがいると、それはコマーサーからの「これおすすめ(I’m lovin’ it)」型のメッセージになります。そのため、信頼性や共感性の高いメッセージを伝えることが可能になります。加えて、SNSの延長にあるからこそ、リアルタイムでコミュニケーションが取れます。そのため、配信者であるコマーサーと視聴者の精神的距離が近い後者のメッセージが、「友達のおすすめ関係」を作る上で大切なのです。

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(図4:ライブコマーサーと広告の伝え方の違い)

ライブコマースのメリット

アイレップが提唱するライブコマースの3つのメリットをお話しします。

メリット(1)「ECサイトのLPでは伝えられないこと」を伝える

ECサイトとライブコマースは、お互いの伝えきれない部分を補完し合う関係にあります。ECサイトのLPは、洗練されていてクールな印象で、論理的に説明できる場でもあります。一方で、ライブコマースは、スマホ映像とコマーサー自身の言葉を用いて、熱量を感覚的に説明することができる場です。

出典:YOAN(ユアン)公式ホームページInstagram @yukos0520

(図5:LPとライブコマースの補完関係)

メリット(2)ブランドの提供する「コト」で共感を生む

通常の広告は多くの場合、ブランドの提供する「モノ」つまり商品の価値をターゲットに訴える役割を担っているといえるでしょう。一方で、ライブコマースは、ブランドの提供する「コト」つまり体験価値をターゲットに語りかけているといえます。これは、提供するコンテンツによって、視聴者に共感してもらいアクションを喚起するためです。後者はより共感に繋がりやすく、そのためSNSでの拡散などの次のアクションが喚起され、結果的に顧客を巻き込んだ形でブランドが共創されていくのです。

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(図6:「モノ」を伝える従来の広告と、「コト」を伝えるライブコマース)

メリット(3)一体化されたフルファネル

通常の広告手法ではファネル(顧客が商品を認知してから購入・契約するまでの流れを図式化したもの。多くの場合、「認知」「興味・関心」「比較・検討」「購入」のファネルに分かれています。)別に施策を考えることが多いと思います。しかし、ライブコマースは熱量の伝播するコミュニケーションで、認知から購入までのファネルを一体化した施策だといえます。ライト層への商品認知ができ、購入検討層へのECサイトへの誘導もおこなうことができます。これは、ライブコマースが、熱量を伝えやすいという性質や、視聴者とコマーサーとが双方向であるという性質を持っているからこそ達成できることだといえます。

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(図7:フルファネルに対応するライブコマース)

ここまで、ライブコマースの市場や変遷、ライブコマースが実現することについてご説明いたしました。第2回の連載では「ライブコマースの好事例、大注目のライブコマースアカウント」について投稿いたしますので、ぜひそちらもご覧ください。

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